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これまでのデフォルト設定で、50Mbpsは平均的に出ていたし、かなり混んでいる夜の時間帯で、速度が不安定な時でも30Mbpsは出ていた。普通にWebページを見たり、動画のストリーミングをしたりするのも、大概はこれだけ出れば十分だ。 フレッツスクウェアで測定した値で、50Mbpsは出ているのだから、何も速度をチューニングしなくても…と思っていたのだが、設定が不適当でこれしか出ないのなら、最適設定にしておきたいし、ハードウェア的に限度ならそれはそれでいい。要は限界を知っておきたいだけの話だった。 いろいろサイトを巡ってみると、Windows2000のデフォルト設定は、必ずしもBフレッツに最適ではなく、チューニングで高速化できる余地がある、ということを知って、やってみた。 [ここから後に書く内容は、Windowsのレジストリをいじるため、OSが再起不能になる危険を伴います。変更は自己責任でお願いします。] まず、Dr.TCPというソフトで、MTUとウィンドウバッファサイズを変更する。MTUは1454に、バッファサイズは260176に設定(MTUやウィンドウバッファサイズについてはここでは説明を省略します)。PCを再立上げして測定してみると、 変更前 平均60Mbps程度 変更後 平均70Mbps程度 (いずれもフレッツスクウェアでの値)となっていた。 この他に、上り方向の速度を改善するソケットバッファサイズの変更もあるのだが、今のところ上り方向の高速化は、差し迫った必要性もないので、やっていない。
評価条件
- CPU Pentium4 2.4C GHz
- Memory DDR 1GB
- M/B D865GBFLK (865G + ICH5 Intel)
- Network Onboard 1G
- OS Windows2000 Professional SP4
- Router MN8300 (NTT-ME)
- Firmware Ver 1.05
- Security Packet Filter ON, SPI ON
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上記の変更をしたのが工事(12月17日)から数日後だったが、その後も速度とバラツキを調べるため、継続していろいろな時間に測定してみた。平日は、会社に出ている昼間は測定できないのだが、朝夕は混んでいて40Mbps程度しか出ないことが多かった。 特に意外だったのは、空いていると思われる早朝の5時過ぎに測定してみると、バラツキが大きく、平均すると夕方から夜にかけての速度より少し速い程度(50Mbps)しか出ないことだった。どういう経路で東京の(フレッツスクウェアの)サーバーまで届いているか分からないが、企業のデータセンター間で夜間から早朝にかけて、バックアップデータの流れなどがあるのではないかと想像している。
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そこで、企業や役所も仕事納めで休みに入り、回線が空いた(と思われる)12月30日の朝に、測定してみた。安定して70Mbps台後半の値が出ていた。何度かやっていると、最大で80Mbpsが出た。 本当はもっと極めてみたい気もするが、これ以上ネットワークの混雑度が低い日もあまりないだろうし、ここまで出れば十分だ。それに、ハードウェア的には何の問題もないことがわかったので、設定変更による速度チューニングは、これ以降行なわないことにした。
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Fig.1-1
03年12月30日 06時02分に測定
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あまり速度測定の結果には影響ないと思うのだが…測定している間も、1分間に数回から多い時には10回程度、ポートスキャンをかけられることがある。使っているMN8300でSPI(Stateful Packet Inspection)をONにしておくと、ポートスキャンのパケットはブロックしてくれるわけだが、測定中にこれをやられると、どうも測定結果がばらつくような気がしてならない。 ログを見てみると、プロバイダ側のセッションからだけでなく、フレッツスクウェア側のセッションからもスキャンをかけられていることがあった。なので、あまり頻繁にスキャンを掛けられている時は、測定しないことにした。
もうひとつの余談 MN8300はセキュリティ関係のフィルタ類をONにしても速度が落ちない、という評判があって、これに決めたのだが、実際、フィルタ類をON/OFFしてみても速度にはほとんど差がなかった。このルーターは小型で発熱も小さく、ハブとして使った時の速度も十分高速なので、気にいっている。
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ASAHIネットには、工事日の前にIP電話を申し込んだところ、回線が開通してからでないと申込は受けられない、ということでお断りされてしまった。それで、工事が済んで接続が確認できてすぐに、ASAHIネットのホームページから申し込み直しておいたところ、2日後には、登録完了の連絡メールが来た。
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一方、必要なのは、IP電話アダプタ(NTTの名称では「VoIPアダプタ」)だが、こちらはH課長が年内に届く、と約束してくれていたので待っていたところ、12月25日の夕方に届いた。 IP電話は今後、いろいろなサービスが出てくるだろうと考えて、買取でなくレンタルにした。現時点で買取価格を月々のレンタル料金で割ると3年3ヶ月分ほどになるので、これだけの期間内にアダプタを買い換えたくなるようなサービスが出てくるだろう、と踏んでのことだ。 内容は写真のとおりだが、相変わらずこの手の通信機器のご多分に漏れず、電源がACアダプタだ。
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Fig.2-1
送られてきたVoIP電話アダプタ一式
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PC周りのACコンセント(テーブルタップ)には、Faxモデム・電話機・ルーター・ONU・それに今度のIP電話アダプタの合計5個のACアダプタがゴロゴロと転がっている。それぞれがかなりのスペースを取る(ルーターのだけは小さい)ので、テーブルタップに隣接して差せない上に、両隣のコンセントも塞いでしまうので使いづらい。仕方なく1本200円のショートコード(20cm程度)を何本も買ってきて繋いでいるが、わずらわしいことこの上ない。 電源を積むと大型化してしまう、あるいは発熱の問題だと思うが、効率の良い小型のスイッチング電源モジュールも出てきているので、何とかしてほしいものだと思う。 さて、メーカーへの注文はともかくとして、これでIP電話が使える状況にはなった。このまま即接続、と行きたいところだったのだが、当時ASAHIネットでは「はじめようIP電話 キャンペーン」と称して、接続月はIP電話基本料(04年2月より無料化)が無料となるキャンペーンをやっていた。基本料は日割り計算ではなく、12月は残り少ないので、元旦に接続することにした。
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実際に機器を接続をする前に、検討しておかなくてはならないことがある。それは、ISDNは当面そのままにしてあるので、3番号分の電話が使えるのだが、電話機は2台しかないので、電話の配線をどうするか、ということだ。将来的にはISDNはアナログ回線に戻すので、電話機を買い足すことは無駄になる。2台で何とかやりくりできないか…
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IP電話アダプタにはアナログ回線用の入力口がある。アナログ側から着信があったり、現時点ではIP電話からかけられない、フリーダイヤルや緊急通信(110番や119番)などのためにあるものだ。検討の結果、この口を利用して、ISDNルーターの第1番号に割り振ってあるポート(Tel1)には従来通り電話機Aを、第2番号に割り振ってあるアナログポート(Tel2)をIP電話アダプタのアナログ回線口に入れ、電話機BはIP電話アダプタの電話ポートに接続する。 こうすれば、電話機BからはIP電話とISDN回線が選択可能で、かつ第1番号は従来通り電話機Aで使える。但し、IP電話で着信した場合と、第2番号で着信した場合、電話機Bでは区別ができない。
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Fig.2-2
IP電話導入後の電話配線
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IP電話アダプタに是非、どちら側から着信したか、着信音で区別ができる「鳴り分け」機能を搭載して欲しいものだ。ファームの変更で可能だと思うのだが… とりあえず、ISDN回線をアナログに戻すまでの間は、IP電話番号を公開しなければ、(イタズラ以外で)IP電話側にかかってくることもないから、これでOKとした。 さて、いよいよ年が明けた。除夜の鐘が鳴り終わるや否や、VoIPアダプタのセッティングを始めた。電線類は繋ぎ終わっているから、ほとんどハードをいじることはない。普段はルーターに接続してあるPCのネットワークケーブルをVoIPアダプタに繋ぎ替えるだけだ。 次に、「設定サイト」なるものに繋ぎに行ったのだが、いくら行っても繋がらない。「192.168.100.1(VoIPアダプタのプライベートアドレス)に接続が拒否されました」とメッセージが出るばかりである。どうもルータのSPIやらプロトコルフィルタがかかって、サイト側から中がいじれないようにハネているか、セグメントが違うので、向こうが見えない様子だ。ログを見てもハッキリとはわからないが、こっちからの要求に対して何らかの応答のパケットをハネた形跡がある。 なんとかしようと、SPIを外してみたり、外側からのアクセスを許可してみたりと、手を変え、品を変えやってみるのだが、一向に繋がらない。もしかすると、ルータ側のサブネットマスクが255.255.255.0になっているから、VoIPアダプタの192.168.100.1は他のネットワークと解釈しているのかと思い、サブネットマスクを255.255.0.0にしてみたり…もしたのだが、だめ。 ふと思ったのが、「そもそもこの自動設定サイト」とは何か、ということだ。結局は、設定されるのはVoIPアダプタの中身であって、その中身がどういうものかはASAHIネットから送られてきたIDで調べれば分かるのだから、手動で設定してやればいい。「自動設定サイト」は、その設定を自動でやるためにあるのでは、ということだ。そうとわかれば手動で設定だ。 ASAHIネットから送られてきた、サーバアドレスやアカウント名を入れて、アダプタがリブートすると、どうだろう! カチカチ、というリレー音と共にVoIPランプが点灯して「開通」である。妻の携帯に電話したり、家の第1番号に電話したりと、やってみたが、ちゃんと発信する。着信も妻の携帯や家の第1番号からやってみたが、問題ない。ただ、真夜中で相手がいないので、「通話」はしていない。 これでIP電話は開通した。
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開通したはいいのだが、受話器を取っただけでかなり大きな音で、ブーというハム音が入る。すぐには原因がわからない。50Hzと高調波くさいから、(AC100Vの)電源周りのGNDだとは思うが、開通当日(元旦)は、もう夜中の2時近かったので、やめにした。 夜が明けて、妻が自分の実家にIP電話経由で「おめでとうコール」をした際にも、「何この『ブー』っていう音…。向こうでも聞こえるって言ってたよ。IP電話、ダメじゃん!」とダメ出しされてしまったのだ。まずい、このままでは使われなくなってしまう、というわけで、早速対策に取り掛かることにした。
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まずは、仮説を立てる。ハム音が出るということは、大体の場合、AC100V電源周りのGNDの取り方の問題であることがほとんどだ(オーディオなどでもそうだ)。ただ、どの接続がどうなっているから、ハムが出るのか、までは分からない。 次に、この仮説を検証する方法を考える。 この時点で、使用していた機器は、ISDNルーター、自作マシン、Gateway P5-166とVoIPアダプタだ。AC100V周りのGNDは、ISDNルーターとVoIPアダプタについては専用のGND端子が出ている。電話線が直接接続されるだけに、安全のために出ているものと思う。2台のPCは端子は出ていないが、フレームのネジを、GND端子代わりにできる。 これらの接続を組み合わせて、どこが一番ノイズに効いているのか調べてゆけばよい。
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Fig.2-3
VoIPアダプタのGND端子
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仮説を検証する実験だから、きちんとしたグランド線をつなぐ前に、ワニ口クリップ付きのコードでいろいろな組合せで相互のGNDを接続して、原因を切り分けてゆく。大地GNDはエアコンのコンセントに来ている接地極を利用した。
- 電話系フレームGNDと大地GNDの接続 … 効果薄い
VoIPアダプタのGND端子と大地GND、ISDNルータのGNDと大地GNDを各々接続。少しだけ減った。
- Gatewayのシャーシと大地GNDの接続 … 効果大
(上記に加え)Gatewayマシン・自作PCのフレームと大地GNDを接続(ISDNルータ・VoIPアダプタ・Gateway・自作PCのGNDが一点で大地GNDに接続)。ノイズはきれいに消えた。
- 4台の機器のGND相互に接続、大地GNDからは切り離し … ノイズ残る
ノイズレベルはかなり下がるが、よく聞くと分かるレベルで発生している
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ちなみに、PCの電源は、入れても入れなくてもACコードを接続している限り、ノイズは発生していた。自作PCとGatewayのどちらがノイズの原因となっているかは、どちらが原因であっても片方のみで運用することはあり得なかったため、切り分けていない。機器相互のGND電位を同一にするなら、4台のGNDを相互接続しただけで止まるはずだが、なぜ微妙にノイズが残るのかは分からない。 ともあれ、原因はやはりGNDの接続であった。妻には、ノイズが消えた経緯を説明して、IP電話そのものが悪いのではないことを説明しておいた。これで、一応今までの電話と同様にIP電話を使ってもらえるようになった。
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Fig.2-4
接地配線による原因切り分け
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仕事でアナログ回路の開発をやっていた頃から、こんなトラブルばかり経験してきたから、多少のことではめげないが、仮説が外れると徒労感が募るものだ。今回の件は、原因究明という点では、不完全かもしれないが、割とすんなり実用レベルに達したので、良しとした。当面は、ワニ口クリップで接続しておき、圧着端子や接地線を買ってきてからきちんと配線することにする。 本来、通信機器の接地は回路保護のために設けられていることが多いが、こういうことにも役立つのか、と思った次第。ところが、思わぬ落とし穴があって、新たなトラブルが発生することになる…
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数日後、近くの電気屋に緑のGND線を買いに行った。10mで600円以上した。高いが、急ぎなので我慢する。 作業を始めると、ゴチャゴチャしたAC配線に閉口する。問題なのは、やはりACアダプタ付きの機器だ。デカい石みたいのがコンセント周りにゴロゴロ…せっかくショートなACコードを買ってきたのに、これでは余り意味がない。 ワニ口コードのGND線はつないだままにして、ACアダプタやコード類を抜いたり挿したりして整理しているうちに、おかしなことに気づいた。ルーターが立ち上がっていないのだ。ルーターは、AC100Vを一度抜いても再び給電すれば、即座にLEDが点灯/点滅して立ち上がり、セルフチェックをした後、プロバイダに接続に行くようになっている。 不具合が発生したのは、一旦MN8300をコンセントから抜いて、次に差したときだった。まず、Power LEDは点滅しているのだが、ぼんやりとしか点かない。しかも、いつまで経っても点滅しっぱなしである。(ルーターとの電気的接続を示す)ONUのLinkランプも点かない。何度コンセントから抜いてやり直してみても、症状は同じだった。 AC100Vラインの電圧を測定するが、間違いなく100Vあり、ルーターのACアダプタの出力電圧も11.5V(仕様は12V)で直ちにおかしな電圧とは言えない。 ここで、うちのAC100Vの配線を記しておくと、PC本体とフィルムスキャナの電源は通常の部屋のコンセントから取っている。一方、通信系は、これとは別の系統のエアコン用のコンセント(100V)から取っている。但し、余りにも接続するものが増えたため、この原則が守られていない接続があったかもしれない。この時は、通信系はエアコンのコンセントから、PCとスキャナは通常のコンセントから、ときちんと分けようと配線していたその時である。 ACアダプタ類が束になって繋がった、古いテーブルタップを、エアコンのコンセントからのテーブルタップに差し込んだ瞬間、停電した。PCやモニタは止まっているから、明らかに過負荷で落ちたのではない。調べてみると、大元の漏電ブレーカが落ちたのだ。おかげで家中停電して、妻は怒っている。 どうやらやはり、なんでもかんでもGNDを一緒にするというのは、ノイズの面ではいいかも知れないが、副作用もあるということだろう。多分、エアコンの系と通常のコンセントの系は、相が違う。相の違う機器間でGNDが共通になると、電源の一次側ラインフィルタのCを介して、200Vかかる可能性が出てくるから、漏れ電流が増えて、漏電が検出される危険があるということだ。 どうせ全部ONになったところで、15Aの個別ブレーカーの容量をオーバーするほどの負荷はないから、全部エアコンのコンセントから取った方が、そういう危険はなくていいだろう。とりあえず、当初の目的だったGND線はつないでしまい、ACラインも整理しておいた。 停電はしたものの、ルーター以外の機器は無事だったのでやれやれである。やれやれはいいのだが、肝心のルーターが故障してしまっては、ナローバンドに逆戻りだ。ネットワークケーブルをISDNルーターに繋ぎ替え、数日は64kbpsで我慢していた。ルーターは即座に修理に出した。
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そんなある日、ふと気が付いたのが、VoIPアダプタがルーターとして使える、ということだった。少し詳しく書くと、NTTのVoIPアダプタは、ルーターモードとアダプタモードという2つのモードがあって、ブラウザの設定画面から切り替えられるようになっている。ルーターモードは通常のブロードバンドルータと同じで、自らがPPPoEセッションでプロバイダに接続、上流(WAN)側をONUに接続して使用する。LAN側は、RJ-45ジャックが1個しかないので、PCは(Hubがないと)1台のみだ。 アダプタモードは、今まで使っていたように、別のブロードバンドルーターがPPPoEセッションを張り、その配下に置いてLAN側の機器として使うものだ。 だから、ルーターが故障してしまっても、VoIPアダプタをルーターモードに変えてしまえば、速度は落ちるが今まで通りのやり方で接続ができるはずである。 設定して接続してみると、難なく繋がった。今後のことを考えて、ルータの予備機を持っていた方がいいと思い、比較的安価だったPlanexのBRL-04ARルータを購入しておいた。結局MN8300は、修理から戻ってくるまでに5週間もかかった。通信販売で買ったので、販売店に戻したのだが、そこでの再現性テストの後、メーカー戻しになったため、時間がかかったようだ。(販売店に修理依頼のメールを出したら、「メーカーに直接送ったほうが早いです」と、返事が来る前に送ってしまったのがいけなかった。)帰ってくると、本体が丸ごと交換されていた。 この間、予備機のBRL-04ARが活躍してくれた。
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我が家は元々、あまり電話が多い方ではないので、IP電話もこちらからかける機会がなくて、宝の持ち腐れなのだが、ある時、私の実家に長電話する機会があった。平日の夜だった。遅延は多少アナログ電話より大きいが、音質には全く問題はない。エコーが多少気になる程度だ。ところが、かけてしばらくすると、激しく通話が途切れるのだ。回線自体が切れてしまうほどではないが、通話には明らかに支障がある。ちょうど電界が弱い所で、移動しながらケータイをかけているような感じだ。 数分経つと状況は収まったが、その後も断続的にプツプツと途切れた。この状況は、程度の差こそあれ、今だに変わらない。うちだけの問題なのだろうか? これは一体なぜなのだろうか? 光回線で、帯域も十分取れているはずだ。こんなことでは、安定した光回線を選んだ意味がない。多分、NTTの問題ではなく、もっと上流側のIP電話網の問題だろうと考えている。現時点では、IP電話の使用人口は大したことがないかもしれないが、これだけブロードバンドが急速に普及していることを考えれば、この通話品質では「ただの安い電話」という評価が拡がってしまうのではないか? それとも、NTTや第2電電系のキャリアが、一般家庭向けに「品質のいいIP電話」、ということで有料オプションを考えているのだろうか? いずれにせよ、今のところ納得がいかない品質ではある。いずれ解消されることを祈りたい。
と書いたこの頃から時は流れ、NTTからは「ひかり電話」という新しいIP電話がサービスされている。が、我が家はいろいろ理由があってまだひかり電話には乗り換えていない。だが、優先制御が行える新しいプロトコル、IPv6を使ったサービスなので、遅延や途切れるなどの従来のIPv4とは違うサービスとなっているようである。 しかし、当然のことながら「有料」である。
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04年も3月になった。NTTの116に電話して、ISDN契約を切り、アナログに戻すことにした。予定は4月を考えていたので1ヶ月早いが、BフレッツもIP電話も(時々途切れる以外は)安定してきて、ISDNでネット接続することもない。フレッツISDNは2月に解約してあるし、電話も第2番号だけのためにISDNを残しておくこともないだろう。この時点で、うちには3つも電話番号があるのだ。 NTTの電話窓口の担当者によると、当日は不在でも工事をしてしまうが、TAを繋いだままでも電気的には問題ない(もちろんその間、外からの電話は繋がらないが)そうだ。帰ってからすぐに電話機をつなげば使えるようになっているとのこと。 また、その担当者には、ISDNを解約する理由を、差し支えなければ聞かせて欲しいといわれた。何か問題があったのではないか、と気にしている(あるいは解約理由を調査している)ようだった。差し支えはないので、「Bフレッツを導入してIP電話も使えるようになったので…」と正直に言ったら、「ありがとうございます」とお礼を言われてしまった。
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工事当日は、切替えをしたことをてっきり忘れていた。午前中に工事が終わっていて、夕方に何度も「帰るコール」をしているのに話中なので、気が付く始末だ。 帰ってから、電話回線の繋ぎ替えをする。まず、当面はPCの部屋にある電話機は使わないことにする。台所にある電話機は、回線種別の識別(プッシュかパルスか)が自動なんだそうである(今日マニュアルを読むまで知らなかった)。普通は電話機の底面にスライドスイッチがあって、変えられるようになっているものだ。 VoIPアダプタの方がどうなっているかわからないが、とりあえず本線がパルス回線なのだから、電話機の方は手動設定でパルス設定にした。ダイヤルアップルータからすべての電話配線を外して、VoIPアダプタの入出力に繋ぎ替えた。IP電話経由で妻の携帯を鳴らしてみると鳴るのだが、強制的なアナログ回線経由の発信がまったくできない。電話機の回線種別をプッシュにしても状況は変わらない(どうやらVoIPアダプタの宅内側のラインはプッシュ/パルスは自動認識のようだ)。 ここでハタと気づいたのが、VoIPアダプタの局側の回線種別が「パルス」になっていないことだ。VoIPアダプタの設定を変えるには、一旦PCからネットワーク配線を外してVoIPアダプタのLAN配線に繋ぎ、ブラウザから設定する必要があって、面倒だ。 さて、ダイヤルをパルス設定にしてやってみると、派手なリレー音に続いて、妻の携帯が鳴った。やはりネットワークは、なんだかんだと一発では繋がらないものだ。 実は、この設定では、IP電話の着信なのか、アナログ回線の着信なのか、すぐには識別できない。このままではブーイングが出るから、PCの部屋の電話機も使うことにして、なんとか ・両方の電話からアナログ/IP電話が選択可能に発信でき ・両者あるいはどちらかの電話にアナログ/IPの着信ができ ・かかって来た時にどちらの回線経由かが分かる 配線方法を考えたい。要するに鳴り分けである。 ちょっと考えただけではなかなか答えが出ない。VoIPアダプタに鳴り分けの機能がなければ、どうしようもないのではないか、と思ってしまうが、何とかならないか、引き続き考えることにする。
何はともあれ、これで96年8月から長く付き合ってきたISDNともお別れだ。電話機能としては多機能で便利、信頼性も十分だったが、ADSLよりも速度が1/100程度で、基本料はさほど変わらず、データ通信としては割高だった。その点だけが残念だ。
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ISDNを解約した後、IP電話とアナログ回線の共存と鳴り分けの方法を考えていたある日、近くのスーパーの中にある100円ショップをのぞいていた時のことだ。電話のブランチ接続に使う、二分岐器が売られているのを見つけた。普通に電気屋で買えば\300〜500位はするものだが、\105(税込み)である。IP電話とアナログ電話の共存、かつ鳴り分け、の解…何か使えそうな気がして仕方がない。 家に帰ってよくよく考えてみると…右のFig.3-1のようにすればよいことに気がついた。このように配線すれば、
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Fig.3-1
ISDN解約後の電話配線
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- [受信]アナログ回線からかかってきた時は、電話機A,Bの両方が鳴る
- [受信]IP電話からかかかってきた時は、電話機Bのみが鳴る
- [発信]電話機Aからはアナログ回線のみにかけられる
- [発信]電話機Bからは、IP/アナログどちらにもかけられる
ということになる。 早速、先ほどの100円ショップに行って、二分岐器を買った。正確には、二分岐器の局側の口が「オス」だったので、電話コードとつなぐために、横に並んでいたメス−メスの中継コネクタも一緒に買ったので、これで解決できれば\210の解決策だ。 早速帰ってつないでみると、何の問題もなく受発信できた。二分岐器はいわゆる「先取り」機能はない(これが付いているものは\2,000くらいする)ので、片方がアナログ回線で電話中のとき、もう片方の電話を取ると、先にかけていた方の会話が聞こえてしまう、という不都合はある。 また、本来なら、電話AからもIP・アナログの両方に掛けたいところではあるが、こればっかりは解決策がなく、現在もこのままにしている。
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