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□ 1-1 2003年9月上旬…調査の結果をNTTと管理会社に報告 |
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調査の結果が出たので、とりあえず電話で、NTTのIさんと管理会社のKさんに連絡した。Iさんには「調査の結果、空き配管は何とか全員分ありそうだ。ただ、管理組合の承認まで、工事申し込みを待ってほしい。」、と言っておいた。最近、NTTはレスポンスがいい(良すぎる?)ので、「工事可能」と報告が行った時点で「工事日程はいつにしますか?」となってしまいそうだからだ。 一方、Kさんの方は「空き配管は全員分ありそうだ。」と言うと、「マンション全体で導入するよう、動きましょう」「理事さんには私から説明します」という返答だった。こちらとしては、「マンション全体で導入」という大きな話をしたつもりはないのだが…。話をしていて、どうもこの辺の「用語の定義」がお互いに考えるところが違っている気がする。管理会社の立場に立つと、個人での申込であっても、マンション全体の利害調整が必要なので、言葉遣いとして「全体で導入」ということになるのだろう。だが、この言葉が即、全戸への光ファイバ引き込みを意味しない。 今回の結果は、管理組合に対して「導入のお願い」と「調査報告」という形で出そうと考えているが、スタンスとしては、あくまで、うちにファイバを引いたときに他人に迷惑にならないか、を検証する姿勢で書くことにする。一応、各戸にファイバ引き込み可能性の記述もするが、VDSLを否定するものでもないし、CATVインターネットだって問題なく使える、というスタンスだ。管理組合が代表となって申し込む、他のサービス(マンションタイプ・CATVインターネット)を受けたい、という意見を否定するものでもない。 Kさんは、マンション全体のことを考え、動き出してくれた。「NTTにBフレッツの資料をもらう」と言っていたが、Iさんから送られてきたのが、新聞の折り込み広告と同じものだった、といって呆れていた。Iさんは、たぶん個人向け営業で、マンション全体を相手にする営業ではないから、応対のしようがないのだろう。Kさんが、マンションタイプ導入で親しくしている、NTTの集合住宅向けの営業担当者がいるから、そっちに連絡を取ってみる、と言っていた。 ここまでやり取りを電話でやっていたが、電話でばかり話すのも効率が悪く、記録が残らないので、メールでやることにした。
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ここまでで、うちにファイバを引くためには、いろいろ越えなければならない課題があることがわかってきた。技術的な課題としては、空き配管の問題だが、これは何とかクリアできそうだ。次は法的な問題(管理組合の承認)だが、これもウチだけ自分勝手な要求をしているわけでもないし、(全戸に光を引けない=「早い者勝ち」可能性がある、という)全体の利害を損なうことがはっきりしたなら、諦めるつもりでいる。 無線のページにも書いたが、高校生のその昔、100Wで開局しようとして、予備免許段階で近所のテレビに妨害が止まらず、免許期限を2度にわたって延長するなど、郵政省の電波監理局(=当時)を相手にいろいろやった。検査官が家まで来て落成検査の後、「合格」と手書きして、免許の年月日も手書きで入れた。涙が出た。あれに比べれば、技術的には問題がなく、管理会社も動いてくれている分だけ、気分は楽だ。 改めて、こんな程度で諦めてはいられない! と気合を入れる。
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[NTT-管理会社] 一方、NTTのIさんと管理会社のKさんとはやり取りがうまく行っていないようで、おかしな質問や連絡がメールや電話で飛びかっている。 Kさんから私にメールが入っていて「Iさんではマンション向けの話ができないから、マンション担当の人に連絡してもらう」と書いてあった。それはそれでいいのだが、Iさんからの電話では、「Kさんから資料を送れ、って言われたんですけどマンションタイプのでよろしいですか?」とかいう話になっている。どうもおかしい。Iさんには「ニューファミリーとマンション混在で導入できるか、管理組合の議決にかけるので、その資料となるものが欲しい」と伝えたら、「それなら集合住宅の担当者に代わります」ということになった。 その後、KさんはIさんに、「自分と親しい集合住宅担当者にバトンタッチして欲しい」と言ったらしいが、その担当者の名前がIさんに伝わっていなかったらしく、その担当者が夏休みに入っていたこともあって、しばらく宙ぶらりんになっていた。
[ASAHIネット] 次はASAHIネットで「工事費無料」関連の話だ。管理組合の承認が得られるのが、11月末でキャンペーンが受けられるのが年内いっぱい。ということは、総会が終わってすぐに申し込んでも1ヶ月で工事ができなければ、オジャン、ということになってしまう。これをどうしたらいいか、申し込み直す必要はあるか、という質問をした。翌日に回答が来た。逆に「12月31日までに工事が可能ですか?」と聞かれてしまった。それは、こっちが知りたい。NTTの都合なのだから。 結局は、申し込み直した方がいいが、再申し込みは10月まで待った方がいいという。メールの後半には「キャンセル用紙」がつけてある。このメールに返事を出した。要点は、
- 工事が12月31日までに終わるかどうかはNTT側の都合によるので不明
- 管理組合に承認を得るため、その資料作成の意味で現場調査を完了している
- NTTの担当者を集合住宅担当に代わってもらっている
- 申込みをし直しただけだと、再び1から手続きされないか不安である
というもの。キャンセルは保留にしておいた。 ASAHIネットから回答が来た。今の契約はそのままにしておけ、ということだ。重複申込のおそれについては、NTTにも申し込みはやり直すが、契約は継続なので重複しないように連絡を取ってみてくれる、とのことだ。 しばらくすると、ASAHIネットからまたまたメールが来た。今度は何かと思ったら、「12月の時点で工事費無料キャンペーンをやっているかどうかわからないので、すぐにキャンセル&再申し込みをして欲しい」とのことだった。コロコロ変わる。「工事費無料キャンペーン」はかなり長期間、延長に次ぐ延長で来ているので、中止にはならないだろうと思うが、期限が近づいて気をもむのも嫌なので、いずれ再申込することにする。 さて、当のASAHIネットだが、きちんとNTTの担当者に事情を伝えるから、こっちにも(NTTの担当者に)連絡をとっておいて欲しい、という。なかなかきちんとしているが、問題なのはこの時点でNTTの集合住宅担当者に連絡が取れていないことだ。担当者の名前も分からない。ASAHIネットには、その旨の事情を書いて、キャンセルは待ってもらうことにした。 NTTにとってもASAHIネットにとってもこんなにウルサイ客は珍しいんじゃないだろうか? しかし、法律上クリアしなければならない問題が多いのと、NTT内部で主に個人(ニューファミリー・ベーシック)担当と集合住宅(マンションタイプ)担当で、分かれていて、今回のように「マンションでニューファミリー」というと、話が通じにくいことが原因になってはいないだろうか? それに、それなりに中身を知らないとうまく使いこなせない商品(=光ファイバ回線)は、俺らみたいなマニアック?な客が多いはずなんだが…。
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□ 1-4 2003年9月いっぱい…管理組合向け説明資料作成 |
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資料の図面を書いていて、どうしても調査担当者のおじさんの言っていた内容が気になったので、以下のような内容をNTTに質問メールを送った。
- PDSSとはどんなものか(サイズ・重さ)
PDSSが大きすぎると、MDFやIDFに入らない
- 16分岐した場合、伝送速度はどうなるのか
(このときはまだ半分信じていたおじさんの話で)16本にも分岐して100Mbpsが出せるものを見た/聞いたことがない
- 1本の光ケーブル(8芯)で、サービス可能なユーザ数
本当に8芯×16分岐で128ユーザーもカバーできるのか
- PDSSの設置場所はIDFでもよいか
良ければ、設置の自由度が上がる
ということだ。 NTTから回答は来たが、PDSSのサイズの件以外は十分な答えがなかった。速度は「ベストエフォートなので…」ということ、設置場所の件は「個別の案件は、直接NTTの担当者に…」ということだった。NTTのHPのフォームから質問を送ったので、回答が一般的なものに限られたようである。PDSSは小さな弁当箱程度の大きさだそうである。それなら、MDFやIDFにも設置できる。ただ、「分岐」にまつわる件は、そのままになってしまった。 そんな情報を盛り込み、現場調査の結果は写真入りで「資料編」としてまとめてみた。また、管理組合に対する光ファイバ敷設の「承認願い」を作ったが、これは、同様な苦労をされた方のHPのものを雛型にさせていただいた。管理会社には、メール添付で送っても良かったのだが、圧縮してもあまりサイズが小さくならず、送るのがはばかられたので、できた資料はプリントアウトした。プリンターが壊れていて、横スジだらけだが、我慢してもらう。 この資料、ちょっと力を入れすぎた。マンション全体のことを考える視点からは、あまり重要でないかもしれない、とも思う。空き配管が十分であることだけ、分かってくれればいい、という気持ちで郵送した。
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前回ASAHIネットにメールした時は「2〜3日したらNTTの集合住宅担当者の連絡先をご連絡します」と、書いておいたのだが、もう2週間以上も経ってしまった。もうその担当者の夏休みも終わっている頃なので、管理会社のKさんに「連絡先を教えて下さい」とメールした。 すると、すぐに返答メールがきて、担当者の連絡先(名前と電話番号のみ)が分かった。なんと、NTT神奈川の営業課長さんだそうである。それに、この前出した資料も読まれているそうだ。そんなに上の人が直々に担当するなんて、NTTも力を入れているんだなと思うが、集合住宅は「大口市場」だからかな、とも思う。ともあれ、ASAHIネットにはすぐにメールして、キャンセルをした後、再申込をしておいた。 ASAHIネットに連絡しなければいけないこともあるので、その課長さん(以後、H課長)に、電話連絡することにする。挨拶のあと、プロバイダ経由の申し込みで、工事費無料キャンペーンの話をした。申込者データベースが生きているので、重複になった=特別扱いであることはわかるそうだ。H課長のいるところに、申込者データベースがあるそうだ。 さらに、恥ずかしいことながら、例の資料を読んでいる、とのことなので、工事の見通しなどについて聞いてみた。要点は以下のとおり。
- 空き配管がこの程度あるとすると、全戸光化が可能
- VDSLとも共存可能で、設置可能性の確認のために近々調査をする
- 心配は、MDFから2階のIDFまでの経路に曲がりが多くないか、ということ
3番目の件については、MDFから2階のIDFは縦方向に一直線なので、曲がりはあったとしても、奥行き方向に2〜3個所だろうと教えてあげた。どうも、大きなマンションのように、MDF室からIDFまでクネクネ曲がっているようなマンションを想像していたらしい。 とりあえずは、あの資料を見て大丈夫そうだと言っているのだから、あまり心配は要らないのだろう。それと、NTTだけあって、こちらの意図(コストや速度の他に光を家まで引く意義に投資)はすぐ理解してくれた。やはりマンション全体でのことも考えて、VDSLと両立するような形で考えているらしい、ということもわかった。 2番目の件で、調査をやるとは聞いていないが、H課長の言う調査とは、私の調査とは別に、マンションタイプの導入とニューファミリーとの両立についての観点からなので、管理会社・管理組合向けの内容と考えていい。H課長との話は、この日はこれで終わった。例によって、メールでやり取りしたいので、アドレスをうかがっておいた。 また、以前NTTにメールで聞いて回答してもらえなかった件(PDSSの設置場所や「分岐」など)について、改めてH課長に質問メールを送っておいた。
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□ 2-2 2003年9月下旬…突然光ファイバの束がマンションの前に |
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一方、管理組合の方だが、11月末の総会に向けて、理事会が開かれるはずである。その理事会で、総会の議題に上げるべく、今回の光導入の件を説明する、というKさんのメールがあった。それに向けて、私は何もしなくていいのか尋ねた。理事会に関してはKさん自身が、総会の場ではH課長も呼んで説明するから、特に何もしなくていいのだそうだ。「何かあったらお呼びします」とのことだったので、技術的な問題が出てきたら、呼ばれるのだろう、と思った。 実は、私は次年の理事になることが決まっている。さほど大所帯のマンションでもないので、理事は1年ごとに交代で、建った初年度から階ごとの持ち回り制である。この話があったときは、下の階の方たちが理事だった、というわけだ。とは言え、まだ、ただの申込者に過ぎないから、呼ばれもしないのに首を突っ込むのもどうかと思い、そのままにしておいた。
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ある日、会社から帰ってくると、マンションの前の電話線上に直径1mほどのとぐろを巻いて、光ケーブルが吊るしてあるのだ。単に吊るしてあるだけでなく、引き込み電柱の前で、メインな線路から別れ、今まさに引き込まれようとする位置に付けてある。また、NTTの光ファイバは、保護部材に目立つブルーの材料を使うので、すぐわかる。妻に聞くと、午前中に工事していたと言う。これには驚いた。まだ工事の許可が出たはずもない。 私は、朝早く(5時過ぎ)に出勤して、日が暮れてから帰ってくるので、目を凝らしてみても、どんなケーブルかは暗くてよく分からない。
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Fig.2-1
ある日突然現れた光ケーブル
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休みの日に改めて見てみると、マンションのそばのき線点から立ち上がっているケーブルが巻いてある。ケーブルは単芯のバラ線のようで、多芯の(中がテープ芯線の)ケーブルではないようだ。こんなケーブルがあるのは知らなかった。多芯は、すべて1本にまとめられている物だと思っていた。これでは結構な太さになってしまう。 本当に全住戸分のケーブルを、空き配管に引けるのだろうか? 改めて心配になってくる。 確か、H課長が現場調査をすると言っていたのが、ケーブルが吊るされたその翌日だ。もしかすると、早めに調査を終えて「引ける」という判断ができたので、(予備的な)工事を始めてしまったのかと思う。ケーブルが吊るされていた次の日、この謎のファイバの件を中心にH課長に電話で聞いた。 マッタク、いちいちうるさい客だ、と思われているかもしれないのだが…
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Fig.2-2
マンション近くのき線点
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観点は、
- マンションの前にケーブルが巻いてあるが、工事をするのか
- プロバイダとの連絡についての確認
- 前回のメールで質問した件について
- Kさんとの進め方について
- について
調査は急に行けなくなって、翌週の月曜午前中に変更になった。昨日は調査もしていないし何があったかわからない。他の人がサービスを申し込んだ可能性もある。総会の議決までは工事ができないことに違いはない。
- について
ASAHIネットからの連絡はまだない。
- について
ファイバ1芯で16契約、というのは、マンションタイプの話だ。ニューファミリーの場合は建物の中での分岐はない。契約者が増えた場合は、ケーブルを追加してゆく。ケーブルは8芯の上が24芯、40芯とある。50mmφの管が空いていれば、どんどん追加してゆく。
- について
来週の調査で報告書を出すから、それを受けてKさんが理事会に提案する。その後、総会議決となる。その流れはできているが、時間があるので工事が遅くなってしまい、ご迷惑をおかけする。
昨日の工事のことは、H課長も何も知らないようだった。 この直後、ASAHIネットからメールが来て、H課長に連絡が取れた、という。担当者が代わっていた。担当は別に誰でもかまわないのだが、これまでの経緯をしっかりと分かっている人でないと困る。メールで確認したら、経緯はわかっているようだったので、そのままにする。
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□ 3-1 2003年10上旬…全戸で導入可能性の検討 |
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光ブロードバンドを導入する件について、管理組合で承認を得るには、まず第一に全戸で、光ファイバを直接引き込み(ニューファミリー)、または、VDSLによる電話線を使った引き込み、のどちらかが可能であることを示すことが必要だ。実は、この時点ではH課長の「この程度の配管余裕があれば大丈夫でしょう」という言葉にすがっているのみで、詳しい検討はなされていなかった。そこで、約2ヵ月後の管理組合総会に向けて、この検討を中心にやっていくことにした。 まずは情報収集である。 この時点までにH課長とやり取りしたメールやWebで得られた情報を整理する。まずは、新規配管の追加工事を許容するかどうかだ。
- 既存の空き配管だけを利用の場合
比較的工事は簡単。管理組合側に工事費は発生せず、外観に変更もないので、「通常議決」で過半数の承認があればよく、容易に得られることが多い。但し、配線容量が限られるため、全戸分収容可能かどうかは要検討。
- 新たに配管を追加する場合
大規模な工事となる。管理組合側に工事費が発生し、建物の一部の外壁に配管を取り付けるため、「特別議決」となり、2/3以上の承認が必要。全配管容量は増えるので、全戸分の収容は容易になる。
やはり新たに配管を追加することは難しい。既存の配管だけでニューファミリー/マンションのどちらかが全戸に引けるように工夫しなくてはならない。その上で、以下の条件を考慮しなくてはならない。
- 収容可能な契約者数について
ニューファミリーは1芯1契約、マンションタイプは1芯を最大16契約でシェア
- 必要な空き配管について
ニューファミリータイプの場合、PDSSでの分岐はない。局内か、柱上での分岐になる。従って、引き込まれたケーブルの芯数と、各戸へのケーブルの本数は同じなので、配管は契約者数分の本数を収容できる容量が必要
- PDSSの機能について
PDSSは分岐箱ではない。屋外光ケーブルを屋内ケーブルに接続する「成端箱」である。PDSSは8芯用のもので、40芯用をPDS、100芯用をPDMという。PDSSの設置位置は何階でも可
- VDSL装置の設置場所について
当マンションのMDFは狭いので、VDSL装置は2階以上のIDFに置く
- ケーブルの太さについて
8芯の屋外ケーブル(引き込みに使用)は8本の屋内ケーブルより太い。8芯のケーブルは、28mmφの管に2本、22mmφには1本しか入らない。
- 空き配管についての追加情報
特別に頼んでIDFを開けてもらい、空き配管状況を詳細に確認したところ、接地線のみしか入っていない28mmφの管が一本あることが判明。
検討してみると、この条件の下で全戸分の配線に解はない。一番問題となるのが、VDSL装置を2階のIDFに入れた場合だ。アナログ回線との合流を1階のMDFで行なうため、銅線の戻り線が必要となってくるので、空き配管を占有する。また、MDF内はかなり狭いので、電話の端子台と同じ取り付け面に成端箱を多数置くのは無理がある。そうすると、ニューファミリーの配線可能量が減る。 ない頭をひねり、NTTの配線工法も知らず、何とかできないかと数日悩んだ。その結論が、以下だ。
- 成端箱PDSSはMDFに置く
MDFで屋内ケーブルに接続してしまえば、屋外ケーブルのようにある本数の束で配線する必要がなくなり、バラで空き配管の隙間に入れられる
- MDF内の成端箱配置の工夫
MDF内は奥行き方向は余裕があるので、扉の内側に板を張るなどして配置すればよい
この内容で、再検討してもらえないか、H課長にメールした。
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□ 3-2 2003年10月中旬…管理会社・管理組合の準備 |
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一方、これと前後して、管理会社・管理組合とも総会に向けて準備をした。もちろん総会の議題は光ファイバだけではない。光ファイバの議論に関しては、管理会社のKさんとH課長の間でH課長が行なった、マンション全体への光導入についての調査に関して、やり取りがあったようで、ほとんどこちらは間に入って何かする必要もなかった。KさんとH課長は、これまでにもマンションタイプの導入に関して、何件も二人三脚でやってきているから、今回のように、「光ファイバを住戸まで引いてくれ」と、多少口うるさい住人(=私ダ)がいても、「応用問題」程度だと思う。 ここで、私と管理組合・管理会社で行なわれたやり取りは、概略以下の通り。
- 管理会社にお願い
マンションタイプと同時に、光ファイバの住戸への直接引き込み(ニューファミリー導入)も2本立てで議論してもらうよう、Kさん・理事会にお願いした。迷惑な「こだわり住人」だったかも…でも、「全戸に光ファイバ引き込み可能」であることが確認できれば、実際に引いていなくても、資産価値的には上がりますよね、という議論もあった。これは、「光ファイバインターネット?うちは関係ないです」という住人にもインパクトあり。
- アンケートが配られる
(10月中旬)理事会名でアンケートが配布される。内容は、設備の修繕や花壇の設置など一般の議題と、光ファイバ導入。しっかりとVDSL方式と、光ファイバ直接引き込み方式が別の議題として掲載。その上、「これによりマンション全体の資産価値が上がることが期待されます」「両者は同時に導入が可能です」という記述までされていた。Kさんと理事会に感謝!
- アンケートに一点だけ要求
管理規約の中に「棟内設備の使用許可」の一覧表のようなものがあるが、電力やガスといった項目の欄に「インターネット設備」に「NTT東日本」と追加されていた。今後インターネット以外の放送なども加わる可能性があるし、他の事業者も参入する可能性もあるので、表現を変えてほしい、とお願いしたが、これは、当面インターネット・NTT以外のサービスがないことを理由に却下。
- 管理組合の理事会が開かれる(10月中旬)
下の階の理事さんたちが、上記のアンケート結果を受けて、理事会を開催(私は出ていないので後日Kさんから様子を伝えてもらった)。光導入に関してこれまでの調査結果も併せて議論。Kさんが言うには「なんでADSLでソコソコ(注:24Mのサービスで、おおかた10M以上)出るのに、光なの?」状態で、議論もあまりなかったとか。Web見るだけなら、それでいいのだが。
- 管理組合総会の議案書が届く
草稿の時点で届いたものに、ニューファミリータイプの資料が間に合っていなかったのと、若干の単純間違いがあったので、訂正をKさんに連絡した。総会直前に届く「本稿」は完璧。
これで、総会に向けたほとんどの事務処理は終わりだ。後は、「本当に全戸に光ファイバ/VDSLのどちらかが引き込み可能なのか?」に関する、確実な答えを探すこと…なのだが。
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□ 3-3 2003年10月下旬…空き配管全員使用へのブレークスルー |
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10月末に、以前から質問していた、既存の空き配管のみで全員分、光ファイバかVDSLを引く方策について、H課長から添付ファイル(パワーポイントで書いた図面)付きのメールが届いた。そこには驚くべき検討結果が記されていた。図面は全部で6枚もあって、
- 56戸までのニューファミリーのみ
- 56戸以上全戸までのニューファミリーのみ
- 全戸マンションタイプのみ
- 混合ケース1(マンションタイプ16まで、残りニューファミリー)
- 混合ケース2(マンションタイプ17〜32、残りニューファミリー)
- 混合ケース3(マンションタイプ33〜48、残りニューファミリー)
のケースについて、それぞれ解が書かれていたのである。ポイントは、
- マンションタイプは16契約に対してファイバが1芯の割合
- 引き込みファイバが増えれば40芯のケーブルも導入可能
- 40芯のケーブルは28mmφの配管に入れられる
- VDSL装置は2階のIDFに置く。1階のMDFへの戻りメタルケーブルは15芯or25芯で、8芯光ケーブルと28mmφ配管に入れられる
ここで「ブレークスルー」だと感じたのは、40芯光ケーブルの導入可能性に言及されたことである。これまで、H課長は8以上の契約については、数が増えても順次引き込み数を増やすのは、8芯ケーブルだと言っていた。マンションタイプとの共存の検討を開始すると、VDSLのある2階IDFから1階MDFへの「戻り線」が増えることで空き配管が減り、8芯の太さがネックになって、行き詰まっていた。 40芯が可能となれば、その問題が一気に解消する。32契約(8芯4本=28mmφ配管2本占有)時に契約が1戸増えた時点で引き直せば、多少の工事は必要になるが、28mmφ1本占有に戻ってマンションタイプへの割り当てが確保できるようになる。このあたりは図面を掲載して説明したいが、許可を取っていないので、分かりにくいがH課長の「解」を文章で説明する。
- 56戸までのニューファミリーのみ=光8芯×7本(最大)
マンションタイプがゼロで、大多数がニューファミリーという可能性の低い想定ではあるが、8芯ケーブルを最大7本まで使って対応できる。空き配管はすべて8芯光ファイバで埋まる。1戸でもマンションタイプの要望の追加があれば、40芯ケーブルを導入すればよい
- 56戸以上全戸までのニューファミリーのみ=光40芯+光8芯×4本(最大)
40芯ケーブル×1本と残りを8芯ケーブルで引けばよい。空き配管は、22mmφが2本まるまる残るので、多少のマンションタイプにも対応できる。
- 全戸マンションタイプのみ=メタル50対×5本(最大)
VDSL装置5台と「戻り線」5本で空き配管はなくなるが、配線は可能
- 混合ケース1(マンションタイプ16まで、残りニューファミリー)=メタル50対×1本+光8芯×6本(最大)
VDSL装置1台で「戻り線」1本、残りは8芯ファイバ。マンションタイプ以外の住戸がすべてニューファミリーで最大6本だとしても、(空き配管はなくなるが)布線可能
- 混合ケース2(マンションタイプ17〜32、残りニューファミリー)=メタル50対×2本+光8芯×5本(最大)
VDSL装置2台で「戻り線」2本に残りは8芯ファイバ。マンションタイプ以外の住戸がすべてニューファミリーで最大5本だとしても、(空き配管はなくなるが)布線可能
- 混合ケース3(マンションタイプ33〜48、残りニューファミリー)=メタル50対×3本+光8芯×4本(最大)
VDSL装置3台で「戻り線」3本に残りは8芯ファイバ。マンションタイプ以外の住戸がすべてニューファミリーで最大4本だとしても、(空き配管はなくなるが)布線可能
机上計算では、1本の配管に3本の多芯光、またはより対線ケーブルを引くことはできるだろうが、実際は、ほとんど空きがなくなった配管に、後からはケーブルを足すことは、通線ワイヤが通らないこともあるので、不可能に近い。上記は、そのあたりも考慮され、1本の配管に通せるケーブルは1本または2本で計算されている。 本当に厳しくなったら、光の場合は40芯という手が打てる。この安心感が大きかった。これで、総会当日、「どんな組み合わせでも全戸に引けるんですね?」という質問には、自信を持って答えることができる(答えるのはH課長かもしれないが)。
H課長には「この図面でほとんどのことが解決しました」「今までシロウトのくせにゴチョゴチョ口出しして申し訳なかった、もうこれ以上の注文はありません」、とお礼とお詫びのメールを書いた。実際、ウルサイ客だったと思う。H課長には手数をかけさせて、本当に申し訳ないと思う。この場をお借りして、お礼申し上げます。
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□ 3-4 本番前のドタバタ その壱 キャンペーンが無効?! |
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「ドタバタ」は私個人のもので、管理会社や管理組合は関係ないのだが…。 一件目はASAHIネットだ。11月下旬のある日、 「Bフレッツコースを申し込んでいただいたものの11月10日現在で、接続が確認できておりません」 「11月末までに何らかの連絡がない場合は退会の取り扱いをさせていただきます」 という葉書がきた。再申込の時に、散々、管理組合の承認のことを話して、こういうことにならないように連絡したのに…。これまでの経緯と「こういうことがあると、今後が心配だ」と書いて、この間から担当になった人にメールを送った。管理組合承認という法律が盾になって遅れているのに、あれやこれやと手がかかる。多分、こういう葉書は接続記録を参照して、自動的に発送されてしまうシステムだから、例外処理できないのだろう。それを見越して、こういうことがないように、とお願いしたのだがやはりこんな「例外的な客」まで手が廻らないようだ。 翌日、お詫びが来たのはいいのだが、今度は「12月末までに工事がなされないと、キャンペーン対象外に…」と書いてある。再申込したのが9月なので、開通期限は2004年3月のはずである。過去メールを調べると、この担当者がそう書いていた。単純なミスだろうが、一応確認しておいたら、その通りだと返事がきて一安心。
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□ 3-5 本番前のドタバタ その弐 H課長が辞めた?! |
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管理組合の総会を翌日に控えたある日、承認された場合の工事日程について、電話でH課長に相談しようとした。NTTの窓口は皆フリーダイヤルになっているが、たまたまその時はH課長の電話番号(これもフリーダイヤル)を書いた手帳を忘れ、持っていたメモ用紙に書いてあった番号にかけた。H課長の番号と信じて…。 電話してみると女性が出て、「Hは10月末で退職いたしました。後任はNと申します…」え?!そんなはずはない、が、後任までいるということは本当のようだ。だが、上に書いたパワーポイントの資料が来た日付の翌日に辞めたことになるので、一言も連絡がないというのはやはりおかしい。 とにかく、その後任というNさんに事情を話さないことには始まらない。やっとつかまえて話をしてみると… N「GXK様が、個人でニューファミリーをお引きになる、という件で、Hがマンションタイプと共に管理組合に提案した、ということは聞いております。」 私「それ以外のことはH課長さんから引継ぎは受けておられていないのですか?」 N「今、Hに確認して、ご回答しようと思っていたところです」 これは変だ、H課長は辞めたんじゃないのか? 私「H課長はお辞めになったと聞きましたが…」 N「いえ、辞めてはおりません。」 私「先ほど案内の方がそのようにおっしゃっておられましたが…」 N「人の出入りが激しいもので…。Hは支店の営業に居ります。ここは、プロバイダ様経由でお申込になられた方の窓口でして…」 私「ええ、私はプロバイダ経由で申し込んだんですが。」(まだ気づかないアホな私) N「ですが、今回はニューファミリーのお申込ですが、窓口が別だと面倒だということで、Hが承っております。Hは集合住宅の営業です。部署が違うので電話は転送できません。」 私「前はこの電話番号で繋がったんですけど…」(さらにアホをさらす) と言うと、強硬に N「そんなはずはありません」 という。 とにかくH課長は辞めていない、ということは分かったから、こちら連絡してもらうことにした。この時点で、やっと自分が掛けた電話番号が間違っていたことに気づいたのだ。ASAHIネット経由で申し込んだ時に、Iさんに連絡していた番号だったのだ。(また迷惑をかけた…) しばらくするとH課長から連絡があって、「総会で承認された場合に備え、12月中旬で工事を考えています。」というのだ。正式にはまだ承認が得られていないので、まずいのではないかと聞くと、「予約」ではなく、工事の空き日程の確認だけなのでかまわない、と言う。なんとH課長は、手続きはしていないものの空き日程を教えてくれた。管理組合総会で承認が下りたら、翌日(実際は総会は土曜なので、翌週の月曜)にでも即手配してくれるとのことだ。 以前、「早めに工事ができるよう、お願いします」とメールで書いたことを覚えていてくれたらしい。手回しがいい。涙が出るほど手回しがいい。これでこそ「一生付き合えるブロードバンド」営業だ。
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とうとう、待ちに待った管理組合総会の当日がやってきた。朝から寒くて雨が降っていた。今年は、元々議題が多い上に、修繕にからんだ費用負担の議題も多く、例年なら2時間ほどで終わるのが、3時間以上も予定されている。 始まってみると、案の定、なかなか進まない。光ファイバ関連の議題は、全体の2/3くらいのところにあるのだが、そこまでの議題が費用負担がらみで、全く終わる気配がない。 H課長は、約束どおり10時には来てくれているのに、やっと光ファイバの話になったのが、休憩をはさんで11時頃だっただろうか? その間、H課長は「舞台袖」で待たされていたようだ。
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やっと光導入の本題に入った。やはりマンションタイプとニューファミリーの違いは分かったものの、別々に導入して空き配管が足らなくならないか、あるいは、他社のサービスが導入したい、という人が現れたときに対応できるのか、ということが質問に上がった。 いずれもH課長が可能だと答えてくれたから、全く問題なく採決に入れた。また、以前はできないということだった、8芯光ケーブルから40芯に張替える、という話も「可能です」ということだった。他の人は「元々可能なものだ」と思っているかもしれないが、私は以前からH課長とやり取りしているので、可能になった経緯がわからない。この場の議論に必要な情報ではないし、今すぐ分からなくてもいいのだが、H課長の口ぶりでは、内部でずいぶん説得してくれたようだ。 特にファイバ導入工事については反対もなく、議論と質疑応答はほどなく終わった(皆さん長時間休憩もなく、疲れていたのかも)。 全戸が導入しても、他社が参入しても、問題ないということがわかった時点で採決を取ったので、全員賛成だった。これだけ「費用がかります」という議題が多い中で、「(VDSL装置の電気代は)全部NTTさんの負担です」「工事にかかる費用は個人持ちです」、つまり管理組合の負担はゼロということになれば、反対の上がりようがない。 ついに承認された。
H課長とは話がしたかったのだが、光ファイバの議題が終わった後にすぐに帰られてしまったので、話はできなかった。さすがに1時間も待たされて、社に帰ってもいろいろやることがあるだろうから、引き止めて雑談というわけにも行くまい、と思う。まともに挨拶もできなかったが、メールでお礼を送っておくことにした。
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夜になって、KさんとH課長にお礼のメールを送っておいた。H課長には、40芯ケーブルへの張替えの件を質問した。また、この日の朝にフレッツの折り込み広告があったが、今まで気になっていた、アンケートキャッシュバックキャンペーン(アンケートに答えて現金がもらえる)に、プロバイダ経由で入ったうちも対象になるのかどうか、質問した。工事費タダな上に、これだけいろいろやってもらって、さらに現金をもらおうとは、どこまであつかましいのか…>俺 翌日、夕方にH課長から、回答のメールがきた。中身は…
- 40芯ケーブルへの張替え
前回送ってきてくれたpptの資料を作ったときに、関係部署と相談してくれたそうだ。その結果OKが出たというのだ。その理由がまたNTTらしい。「マンションの構内ケーブルが故障の場合、空き配管がないとまずい」ということだ。さすがは社会インフラを担う心意気である。こう来なくっちゃNTTを選んだ意味がない。
- アンケートキャンペーンの件
対象になるそうだ。なんだか工事費タダで、アンケート代までもらってしまって悪い気もするが、ありがたくもらっておくことにする。近いうちに、Bフレッツの申込用紙が投函されるので、それにアンケートキャンペーンの申込を書いて返送すればいいそうだ。
- 光ファイバの「分岐」について
以前、PDSSが「分岐箱」か、という話をしたとき、PDSSは分岐ではなく成端箱だと指摘があった。その後、ニューファミリーと分岐の話は、総務省の行政指導と対するNTTの「政治」の場で話題となり、扱うには微妙な話題となってしまった。H課長は「外部スプリッタで8分岐するため、今後の速度低下のことはわかりません」と書いていた。
今回も、いろいろと質問に細かく答えてもらって、恐縮だ。この前、番号を間違えて掛けた時、「Hは退職いたしました」と聞いた瞬間、「ああそうだろうなぁ、引き抜かれたんだろうなぁ、あれだけきちんと対応できるんだから…」と思ってしまった。丁重にお礼を書いておいた。
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□ 5-1 2003年12月上旬…工事に向けての室内準備 |
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工事日は12月17日に正式に決まった。工事に向けての準備は特にないが、ONUを設置する洋室のコンセント+モジュラージャックに、取り出し口をつけた。光ファイバは、電話線のようにモジュラージャック経由で接続されるのではなく、PDSSで屋外ケーブルに接続された屋内ケーブルが、そのままONUに入るようになっている。 従って、電話のモジュラーのパネルに穴をあけてもよいのだが、電話線用の取り出しがホームセンターなどで安価で売られているので、これを使うことにする。現場調査の時に引いたナイロン紐をこれに通しておけば、工事当日はここをあけずに紐を引っ張るだけになるからだ。
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Fig.5-1
ファイバ引込予定のコンセント
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12月上旬にH課長から、マンション全戸にBフレッツ全タイプの申込書が配布された。キャッシュバックアンケート用紙も入っていたので、両方出した。 ここには書いていないが、古いPC(Pentium166M)に加え、自作マシンを製作したので、2台になった。最初は単純に積み重ねていたが、いかにも安定が悪くて危険だし、見栄えも悪い。そこで、市販のメタルラックを買ってきて、ラックごと引き出せるようにした。LANや電話関係のものがこのラックの外にあるので、今のところ、配線はゴチャゴチャで引き出すのも一苦労だが、いずれブロードバンドルーターやFaxモデム、ISDNルーターなどを全部このラックの中に入れて、配線をスッキリさせるつもりだ。 そうこうするうちに、Bフレッツのスターターキットが届いた。ルーターを使うので、接続キットの類は不要なのだが、これが届くといよいよだな、という気になる。
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□ 5-2 2003年12月中旬…IP電話導入準備 |
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工事が近づく一方で、IP電話の導入もそろそろ検討しなくてはならない。Bフレッツ自身の方は、ルーターの設定などを年内いっぱいいじりまわして、安定に接続できるようになった元旦ごろから、IP電話を使いたい。プロバイダの申込は、オンラインでできるし、IDの発行(=電話番号)も2日程度待てばいいようなので、特に急がない。ルーターの下にIP電話アダプタをぶら下げようと考えていたので、アダプタの入手がネックだろう。もう12月も中旬なので、年内入手は駄目かと思ってH課長に連絡を取ると、その2日後までに申し込めば年内に届く、とのことだったので即、申し込んだ。 これでほとんどの準備が整った。後は工事を待つばかりだ。
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やっとここまで来たが、要点をまとめて、これから集合住宅で光ファイバを引き込みたい方の参考にしたい。但し、この通りやっても、制約条件や法律の定めで、必ず引き込めるとは限らないので、その時は諦めざるを得ない。また、今回は、NTTの担当者の交渉努力で、ユーザが増えた際に40芯ケーブルへの張替えを約束してもらったが、すべてのNTT担当者が対応を約束してくれるとは限らないので、ご承知おきいただきたい。 光ファイバ引き込みには、以下の条件が必要だ。
- 管理組合の承認を得ること
これがなければ始まらない。法律の要件だからである。年に1回の総会の過半数で議決するのが一般的だが、管理組合の規約を改正して、理事の過半数の承認で認められるようにしている所もある(らしい)。
- 全住戸分の空き配管が確保できていること
これは、法律の要求ではないが、後から引く人に不公平が出ないために必要である。管理会社やNTTに相談して、調査してもらうことが必要だ。この調査でよい結果が出れば、管理組合への働きかけもこの二者が中心になってやってくれることもある。
1つ目は自分が理事長になって(ゴミ捨て場や駐車場の管理といったものも含めて)積極的に関わる気があれば、ブロードバンド導入に住民の多くの賛同が取り付けられるだろう。また、VDSL装置を併設導入する時は、工事費や電気代の負担が管理組合にあるのかも、明確に議事録に残しておきたい。 2つ目は、どうしても空きが足りなければ、工事をしてでも確保する手はあるが、その場合は外観の変更工事(配管を外壁に這わせる)や管理組合の金銭負担(工事費用)が発生するので、承認が「特別決議」となってしまい、2/3の賛成が必要となる。ブロードバンドなど縁もゆかりもないという住人もいるから、なかなか困難だと思う。古い集合住宅なら、「大規模修繕工事」にあわせて工事をしてしまう手もある。
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