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Fig. 1-1
再びセンターコンソールを外す
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マイク・PTT系の配線を行ないます。マイクセットはアドニスのFX-5(現在生産終了)を使いました。IC-706のマイクは、モジュラージャックタイプなので、アドニスマイクの8Pコネクタに合わせるためには変換ケーブルが必要です。 この配線を行なうため、二度手間になりますが、再びセンターコンソールを外します。(「無線車仕込1」でも書きましたように、傷が付くのを避けたい方は、ディーラーのメカニックにお願いしてください。)今回もオーディオ類は外す必要はありません。 多少の傷はかまわない、という方は、センターコンソールの前面パネル(光沢)とサイドのカバー(樹脂色)の左の境目で、エアコンのコントローラの横あたりにマイナスドライバを差し込んでこじると、パチン止めが外れます。(車によってはうまく外れないこともありますので、無理にこじらないようにして下さい。)
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前回広げた穴を通して、リグ側のコネクタ(モジュラー型)を手前に出したまま、マイク・PTT側のコネクタを運転席左足元に引き出します。 一方、小物入れの蓋ですが、私はこれが邪魔なので取ってしまいました。横に蓋を押し上げるバネがあり、これを止めているネジを外してバネを外し、回転運動の支点を挟み込んでいる、アームを押し広げてやれば、蓋が外れます。 蓋とバネは、後でクルマを元に戻す時に必要ですので取っておきます。(と、言いながら、私はバネをなくしてしまいました…) 小物入れのスペースにコントローラーを置きたいので外したわけですが、他の場所に置いたり、置き方を工夫すれば外さなくてもかまいません。このあたりは、オペレーションのし易さや個人の好みの問題でもありますので、ここでの例はあくまで参考です。
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Fig. 1-2
小物入れの蓋を外す
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Fig. 1-3
ピラーの樹脂板を外したところ
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次はマイクのセッティングです。マイクは運転席のサンバイザーに共締めします。マイクの留金の部分が、いまいちサンバイザーの止めの部分としっくり合いませんが、いずれ方策を考えるとして、何も加工などはせずに止めています。 マイクのの配線も隠すため、運転席側ピラーの樹脂板を外します。これもパチン止めですので、無理な力をかけないように引っ張って外します Fig. 1-3はドアの外側から見たところです。上側から無理な力を掛けずに、様子を見ながら外して行きます。
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下側は運転席のメーターパネル等と一体化しているか、あるいは組合せで外れにくくなっていて、一旦外すと元に戻せそうもないので、Fig. 1-4のように途中まででかまいません。 運転席側から見ると、Fig. 1-4のようになります。 ここにマイクの線を通して行きます。ピラーの樹脂板の根元には、運転席右足元に通じる広めの通り道があります。右フロントのスピーカー配線がここを通っています。マイクの配線は細めのシールド線で、先端に付いているのは3.5mmφのプラグですから、ここは容易に通ります。線をすべて通したら、樹脂板を元に戻します。 運転席右足元に出てきた線は、この後作業しますが、いったん丸めておくなどして置きます。降りてくる途中で、アクセルペダルやハンドル周りの装備に巻き込まれそうになったりしていないか、注意して確認します。
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Fig. 1-4
外したところを運転席側から見る
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サンバイザーの固定部分は、Fig. 1-5のようにしました。マイクのフレキシブル部分は、一旦窓側へ向けてから、運転席側へUターンさせるような格好にしています。フレキシブル部分が結構長く作られているので、まっすぐに運転席側に伸ばすと余ってしまうためです。 時々(週に1回程度)なので、あまり気にはなりませんが、このフレキシブル管、車の振動に対しては柔らかめなので、上に上げてやらないと、無線をしていないにもかかわらず、マイクが下りてきてしまいます。妻が運転する時などは嫌がられますので、私が運転すると気には必ず天井まで付けるようにしています。新製品では改良されているのかな? Fig. 1-5にあるように、ケーブルの余長はぶらぶらしないように、インシュロックなどで束ねておきます。 これでマイクの取り付けが完了です。
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Fig. 1-5
マイクとその固定部分
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Fig. 1-6
PTTスイッチの取付けと配線の固定
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次はシフトレバーにPTTスイッチを取り付けます。 運転中に電波を出すときは最もよく使うものですから、よく場所を選んで取り付けます。とは言ってもシフトレバーにしか付けられないのですが、余りつける場所が高すぎたり低すぎたりすると不具合が起こりますので、注意が必要です。 高すぎるとレバーを握っただけでスイッチに触れてしまいやすくなり、誤送信してしまいます。低すぎるとPTTスイッチの台座がエアコンの操作パネルに当たってしまいます。 幸い、取り付けは輪ゴムを大きくしたようなもので、付け外しは自由に利きますから、現物合わせで、最適な位置を決めて下さい。
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取り付け後はFig. 1-7のようになります。 それにしても、この台座は、もう少し小さくならないものかと思います。スイッチの前方にUP/DOWNスイッチが入っている関係かと思いますが、前方に出っ張り過ぎです。見た目も悪いですし、レバーがPに入っているときはエアコンの一部のボタン操作ができません。ブレーキを踏んでシフトレバーをニュートラルに入れてから操作しています。 取り付け後は、Fig. 1-7のようにケーブルはシフトレバーには固定していません。この後、Fig. 1-6で示すように、シフトレバーのカバーには固定しますが、この状態でケーブルが折れたりレバーの操作に支障が生じたりすることは、今のところありません。
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Fig. 1-7
PTTスイッチ取付け部の拡大
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Fig. 1-8
ハンドル下のカバーを外す
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これまでに、配線してきたマイクとPTTの配線を整理します。 まず、ハンドルの下にある、小さなモノ入れになっているカバーのようなものを外します。これを外すには、運転席右側のヒューズボックスの蓋を外してから行ないます。目的のカバーは、ネジとパチン止めの併用になっています。ネジは2箇所です。 前にピラーから降ろしてきたマイクケーブルを、運転に関わる装置に触れないよう、このモノ入れの中を通します。私の場合、マイクケーブルをここを通す時、特に固定しませんでした。
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次に、PTTスイッチから来ているケーブルを固定&隠蔽します。 シフトレバーから来ているケーブルを、ある程度の余裕を持たせて固定します。先に書いたように、シフトレバー自体に固定はしませんでした。4-1-3の写真にあるように、一速に入れた時にたるまない程度に止めておきました。残念ながら、ここだけは配線が目に見えるところに出てしまいます。 この線を運転席の左足元からセンターコンソールのカバーの下へもぐりこませます。コネクタをカバーの下へ押し込むわけですが、行った先がどこに出てくるかは手探りで、Fig. 1-9にある開口部から手を入れて探します。さほど距離はないので手探りでもすぐ見つかると思います。 これが出てきたら、上で引いてきたマイクケーブル、コントローラから下りてきているケーブルをFig. 1-10のように接続し、余長を束ねて開口部から中へ入れておきます。
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Fig. 1-9
マイクとPTT配線
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Fig. 1-10
PTT配線周り
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Fig. 1-11
仮固定したコントローラ部
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このコネクタは、ちょっと変形で、8Pのジャックの横にマイク用のピンジャックが付いています。入れてから、ブレーキやサイドブレーキ、ハンドルなどの操作に支障がないか、チェックしておくことをお勧めします。 配線が終わった状態がFig. 1-10です。Fig. 1-11は後日撮ったものですが、センターの小物入れのサイズに合わせて、アルミで固定金具を作り、コントローラ部を仮止めしています。この固定金具は、うまく固定できていない(止め方が中途半端で、アルミ削り出しの重量物である割にぐらぐらして危険)ため、製作方法などは公開していません。
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最近は、144MHz以上のバンドのアンテナは、ノンラジアルタイプが主流で、ボディに接地しなくても電波は出るようになっています。ところが、50MHz以下の周波数では、ボディを地面に見立てて接地してやらないと、VSWRは下がりませんし電波自体も効率よく発射されません。 ここでは、アンテナのGND側をボディに電気的に接地する工作を行ないます。ボディの一部の塗装を剥がしてしまいますので、傷をつけたくない方はその部分を飛ばしてください(不確実ではありますが、ボディと接地線の間の静電容量で接地します)。
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Fig. 2-1
線は平網線に熱収縮チューブをかぶせたもの
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まず、材料をそろえます。必要なのは、平網線と熱収縮チューブ、大きな圧着端子、幅広の銅テープ、導電性グリスです。 平網線は、アース線などに用いるものを手に入れます。今回は幅が10mm程度のものを1mほど使いました。太いほどインピーダンスは低いですが、見栄えがいまいちだったり取り回しが困難になったりしますので、この程度の太さで問題ないと思います。 これの片端に大きな圧着端子をつけます。基台のコネクタ部と共締めにしますので、理想的にはコネクタの台座側のネジと同じ径がいいですが、そんなに大きなものは滅多にないので、大きめのものを買って、リング状のものならカットしてY型にして広げます。
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熱収縮チューブは、平網線が入る径で少し細めの物がいいでしょう。長さは50cm程度あれば足ります(実際に使用する長さは、現物合わせで決めますが40cm程度です)。平網線に圧着端子をつけたら、熱収縮チューブをかぶせてあぶり、収縮させておきます。熱収縮チューブは防水のために付けるものなので、圧着端子の圧着部まで被るようにします。 導電性グリスは、固定局でアンテナを建てる時に金属同士の接触面に塗るもので、今回は、ハムショップなどで一般的に手に入る「ペナトロックス」を使用しました。圧着端子の両面に薄く塗っておきます。 コネクタの基台取り付け部分のネジを緩め、基台とコネクタの間に圧着端子を挟み込んで、再びネジを締めます。この後、ペナトロックスを平網線が圧着されている部分にたっぷり埋め込み、水が平網線にしみ込まないようにします。
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Fig. 2-2
平網線は1m程度、チューブは40cm程度
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Fig. 2-3
平網線を垂らしたところ
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平網線は、同軸ケーブルと同様、基台を倒した時にも線がつっぱらないよう、余長を持たせて同軸ケーブルと束ねます。 同軸と途中まで一緒の経路で、センターピラーに沿って下ろして行きます。Fig. 2-3では、途中まで同軸と一緒にケーブルクリップで挟んで止めています。 もし、熱収縮チューブが長すぎたら、カッターで切ってしまいましょう。どこからを「長い」と言うか、ですが、Fig. 2-3のように、同軸と分かれたちょっと下のあたりがいいのではないか、と思います。 この後、銅テープで平網線を覆ってしまいますが、このとき、熱収縮チューブが被っているより少し上のところから銅テープを貼ります。従って、あまりチューブが長いと、銅テープが短くなってしまい、接地面積が減ってしまいます。今回は塗装を削って直流的に接地していますが、塗装を削りたくない方は、なるべく接地面積を大きく取り、ボディとの静電容量が大きくなるようにします。
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いよいよボディの塗装を一部剥がします。錆の可能性が出てきますから、ここまでやりたくない方は、次に進んでいただいてかまいません。ただ、説明書にボディに確実に接地するよう書かれたアンテナは、この接地の良否によりVSWRと飛びが大きく違ってくる、と言われています。ここでの説明が良好な接地の参考になれば、と思います。 Fig. 2-4のように、センターピラーの一部の塗装を金工ヤスリで剥がしました。これでボディと直流的にも確実に接地が取れます。これのお蔭で、モービルアンテナながら、調整すれば、VSWRは1まで再現性よく落とせますし、よく飛んでくれるようです(接地を外して比較実験したことがないので、確実なことは言えませんが…)。 ちなみに、削るのは目の粗い紙ヤスリでもできないことはないと思いますが、どうしてもこする範囲が広がってしまいますので、局所的に削れる金工用の荒いヤスリの方がいいと思います。
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Fig. 2-4
ついにボディを削る!
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次に、銅テープを平網線の上からかぶせてゆきます。塗装を削るのがためらわれる方でも、これで交流的に接地は可能となります。 銅テープは、機器のEMI対策用として売られているもので、秋葉原などでは電線屋さんにあると思います。ただ、3Mなどのブランド物は一巻で数千円します。粘着面もきちんと導電性の材料でできているか、など、こだわりはありますが、財布との相談になります。 比較的容易に手に入る、アルミ箔がテープ状になったものではどうか? と聞かれそうですが、普通のものでは粘着部分が導電性を持たないため、効果は薄くなると思います。ボディを削らない場合でも、テープがコンデンサの極にならないため、やはり効果は薄いでしょう。
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Fig. 2-5
銅テープは下から貼る
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Fig. 2-6
上下とも貼り終わったところ
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私は、会社の材料置き場に転がっていた切れ端をもらってきたのですが、メーカーは不明です。粘着面をテスターで当たったら、導通がありましたから、一応まともでしょう。 今回は、切れ端だったこともあって十分な長さが取れず、2枚に分けて貼りました。センターピラーは上部ほど細いので、上段に貼るものは金鋏で幅を細くしておきました。 貼る順序は下からです。これは、上段のテープを先に貼ると、下段を貼ったときに両者が重なる部分で、段差が上向きに付くため、水がたまるからです。逆にすれば段差は下向きにつきますから、水はたまりません。 上段を貼る前に、塗装を剥がしたところに錆止めと導通確保のために、ペナトロックスを塗ります。あまり多量に塗ると、粘着面にまでグリスが広がってしまいそこだけ付かなくなってしまいますので、適量にします。 Fig. 2-6のように、テープをしっかりとシワにならないようにピッタリと貼って行きます。貼り終わったら、上部の平網線と銅テープの間にできた隙間から水が入らないよう、ペナトロックスを詰め込んでおきます。
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Fig. 2-7
リアハッチにアルミ板を敷きこんで取付け
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ここでは、リアハッチの上部に基台を取付けるとともに、接地も行なってしまいます。 まず基台の取付けですが、アベニールのリアハッチの両端は、微妙に外側に向かってRが付いているため、そのまま基台を取付けようとするとぐらぐらしてしまいます。 そこで、厚さが0.5mm程度の薄いアルミ板を買ってきて、金鋏で5mm〜10mm×40mm程度の細い短冊形に切ったものを何枚か作ります(長手方向は基台の幅に合わせます)。これをRに沿って、かわるがわる黄色の矢印の位置に挟みながら、基台がまっすぐ、かつ、ぐらぐらしないように組み合わせて敷き込みます。
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この方法は、本質的な解決策ではありません。すなわち、アンテナを付けたまま走行する場合には、振動で脱落する危険があるので、別の基台を選ぶか、もっと平らなところに取付けるかして下さい。 基台の固定は、芋ネジを塗装の上からボディにねじ込んで接地を同時に取れるようになっています。リアハッチと車体とは蝶番でしか繋がっていませんし、芋ネジでは点でしか接地が取れないので、確実な接地、という点ではイマイチです。 そこで、ルーフレール基台と全く同じ方法で接地を取ることにしました。基台固定の芋ネジは、元々付属してきた当て板の上から締め付けます。こうすればこの部分ではボディに傷を付けずに基台を取り付けることができます(その目的で当て板が付属している)。
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Fig. 2-8
横から見た基台
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Fig. 2-9
リア用の接地線と塗装を剥がした位置
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ここでも、ボディに傷をつけることを避けたい方は、削る部分だけを飛ばして読んで下さい。 リアハッチにボディから接続しているゴム管のそばの塗装を、Fig. 2-9のように削ります。接地線はあらかじめ、圧着端子を付けておく、熱収縮チューブに入れるなどの処理をしておきます。塗装を削る面積などは、ルーフレールのものとほとんど同じです。 削ったら、また銅テープで貼り付けてゆきます。塗装を剥がしたところにペナトロックスを塗るのを忘れないようにします。こちらも切れ端の銅テープを使ったため、2枚に分けています。重ね貼りする時の注意点も、前回同様です。
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Fig. 2-10のように、銅テープをなるべくしわが寄らないよう、ぴっちりと敷き詰めます。幅が狭いので、しわにならないようにするにはなかなか苦労しますが…。あまり細かいことは気にせずに、一気に貼ってしまいましょう。 次に、同軸ケーブルを配線します。引込み口は、Fig. 2-12にもあるようにリアハッチの右上角です。ここのピラーにも樹脂のカバーが取り付けてあって、これもパチン止めになっています。ラゲッジスペースの右側はこの一体の樹脂板で覆われています。大きいですから無理な力をかけないよう、引っ張って外します。私がやった時は、ボディ側の止め穴と樹脂板側の出っ張りの間にスペーサーのようなプラスチック製の部品がかましてあるのですが、それが外れて、車体の下のほうに転がってしまいました。 きれいにやりたい場合は、やはりメカニックに頼んで外してもらうのがいいと思います。
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Fig. 2-10
銅テープと同軸
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Fig. 2-11
樹脂板を外して同軸を入れる
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Fig. 2-12
引込み部の仕上がり
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この中を、Fig. 2-11のように同軸を通して行きます。この写真に撮ってはいませんが、この後の経路は、電源ケーブルを引いた時と同様、トノボードの右側レールを外し、ラゲッジスペースの壁の樹脂カバーを半分外した状態で、同軸を押し込みながら配線します。
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ここまでで、リグまでのすべての配線と、運転席周りの配線が終わりました。本当は、運転席のそばに外部スピーカーも付けたいのですが、それは別の機会にやることにします。(コンテストなどはヘッドフォンでやることが多く、外部スピーカーがあってもあまりご利益がない、というのが今回手をつけなかった理由かもしれません。) 後部のラゲッジスペースの配線は、Fig. 3-1のように同軸2本、電源2本(2ペア)、コントロールケーブル1本となります。これだけあると、きれいに配線しないと、ゴチャゴチャになります(すでになってたりします)。お互いの物の位置を固定しないと、すぐゴチャゴチャになってしまうので、そのままにしています。
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Fig. 3-1
後部ラゲッジスペース右側の配線引出し部
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Fig. 3-2
ゴチャゴチャしている配線とリグ類
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Fig. 3-3
待機電流測定の様子
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バッテリーは丸出しにしていると危ないのと、取っ手がないので持ち運びできないので丈夫な木箱を作ってそれに収めました。ラゲッジスペースでオペレートする時は、これが机代わりになります。また、Fig. 3-3のように、ログや運用の際の資料も入れられるスペースを作ってあります。(これの作り方は別のところで紹介します。)ただ、板が厚く丈夫過ぎて、バッテリーと合わせて25kg近くになるのが、困りものです。何度も運んでいると確実に腰を痛めるので、最近キャリアカートを買いました。 Fig. 3-3は、リグの電源OFF時の静止電流を測定しているところです。数10mAで、全く問題ないレベルでした。 バッテリー切替器も、内容は別のところで紹介していますが、基本的には車の電源が切れている時はここに写っているバッテリーから、車の電源が入っている時には車のバッテリーから取るようにスイッチする物です。内部のリレーの電源を、ラゲッジスペースにあるシガーライターソケットから取っている(この電源は、車のキーと連動)ので、車の電源が入っている時に、無線用のバッテリーで使いたい時は、このソケットを抜けばよいようになっています。
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アベニールのセンターコンソールは、Fig. 3-4のように時計とシートベルト表示などの表示類がトップに来ていて、その上が円弧状に盛り上がっているので、専用のマウントベースMB-65は付きそうにありません。仕方なく、センターコンソール上部の小物入れに(ケーブルの引込み口以外は加工しないよう)マウント金具を自作してセッティングしたわけですが、ぐらぐらしてイマイチなので、お勧めしないことは4-1-4でも書きました。 それはさておき、ここでは実際にオペレートしてみました。表示がまっすぐ前を向いてしまうのが難点です。
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Fig. 3-4
実際に運用してみる
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少し運転席側に傾いて取り付けられれば、と思いましたが、固定金具はそのようにできていませんので、後の祭りです。ネジ穴をあけるのをいとわなければ、いろいろと取り付け方法を試してみることもできそうです。
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まずは、リアハッチに付けた基台からテストします。ルーフレールの方は前からV/UHFにしていたので、後からつけたこのリアハッチの方をHF&50MHzとなるように、リグの配線をしています。どちらがどちらでもかまいません。 使用しているのはダイヤモンドのMD-200ですが、コイルの調整によって、共振点を動かせるようになっています。今回の場合は、VSWRが1にどれだけ近づけられるか、というのが注目です。 Fig. 3-5は21MHzのコイルですが、少し調整すると、ストンと"1"まで落ちてしまいました。このときは全バンドのコイルを持っていませんでしたが、持っていた他のバンドでも同様でした。また、実験として、ルーフレールの方でもやってみましたが、こちらも気持ちよく"1"まで落ちてくれました。コイルは徐々に買い揃えましたが、買うごとにやってみても結果は同じでした。
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Fig. 3-5
MD-200(21MHz)給電部
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2003年のQSOパーティーでのことです。この21MHzのコイルが、突然調整不能になり、どう動かしてもVSWRが下がらなくなってしまいました。後日、第一電波工業に修理に出したところ、全く再現しない、とのことで、検査料だけ取られて戻ってきてしまいました。ただ、この時の応対が大変よく、技術者自らメールで連絡をくれるなどしました。
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別の時期ですが、定電圧電源を改造したいので、(ダメ元で)「回路図が欲しい」とメールしたところ、pdfファイルで送ってきてくれるなど、大変親切な会社で、気に入っています。 ちなみに、コイルの方は、後日やってみると、何事もなかったかのようにすっきりと調整できてしまいました。接地線が接触不良を起こしたのかもしれません… 一方、ルーフレール基台に取り付けた144/430のノンラジアルアンテナですが、これは元々VSWRが"1"まで落ちてくれるので、接地線を付けたことによる副作用がなければ、以前の通りのはずです。 結果はやはり全くVSWRには影響ありませんでした。飛びの方はと言うと、これも接地線を付ける前後であまり変わっているようには思えません。 CW好きの私にとっては、なによりも両方で(出る機会の多い)HF/50MHzに出られることのほうがうれしいのです。アンテナは1本しかありませんが…
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Fig. 3-6
144/430ノンラジアル
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ちなみに、MD-200をリアハッチ基台で調整しておいて、そのままルーフレールの方に持ってくると、調整は全く合いません。MD-200のコイルMDCシリーズは、当然のことながら短縮率の大きな低バンドに行くほど調整がクリチカルになります。
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Fig. 3-7
両方のアンテナを付けた状態
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周囲にある金属物にも影響されますので、極端な話、ドアをあけた状態と閉めた状態でも調整がずれます。帯域も狭く、3.5MHz等では、VSWRが1.5以下になる帯域が10kHzほどしかありません。これは元々の性質なので、不具合ではありませんが、SSBとCWでコンテストに出るときは、モードチェンジごとに再調整が必要です。 おおむね14MHz以上では、100〜200kHzほどの帯域があるので、実用上こんなことはありません。 ちょうどこの写真を撮っている時、21MHzで西表島が59+で入感して、ちょっとしたパイルになっていたので、呼んでみました。2度目のコールで取ってもらえました。
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