目次
 ■ 無線遍歴編1
 ■ 無線遍歴編2
 ■ 無線車仕込編1
 ■ 無線車仕込編2
 ■ お手軽移動運用編
 ■ お手軽自作編
 ■ 1アマ受験編
 ■ リンクと資料編

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お手軽移動運用編 タイトル
Counter ham_idou_1
 昔は移動運用というとバッテリーやアンテナを担いで登ったりしていたが、年を取って気力がなくなってくるにつれ、やたら「お手軽」になびく私。
 様々なコンテストに出てみたり、移動運用しているが、どれも中途半端。昔の自分なら、苛立ち、気合を入れ直しただろうが、何せ体力もない中年。
 バリバリやっている人から見たら、「何じゃコリャ。こんなの移動運用か?」な内容かもしれませんが、お許しを…

「お手軽移動運用編」の目次

1 2002年のお手軽移動
  □ 1-1 2002年 1月 2日 QSO Party in 海老名市
  □ 1-2 2002年 2月11日 関東UHF Contest in 綾瀬市
  □ 1-3 2002年 8月 3-4日 Field Day Contest in 座間市
  □ 1-4 2002年 8月18日 KCJ Contest in 海老名市
  □ 1-5 2002年 9月14日 南足柄&足柄上郡移動
  □ 1-6 2002年 9月23日 高座郡寒川町移動
2 2003年のお手軽移動
  □ 2-1 2003年 1月 2日 QSO Party in 横須賀市
  □ 2-2 2003年 4月28-29日 All JA Contest in 高座郡寒川町
  □ 2-3 2003年 8月 2日 Field Day Contest in 海老名市
3 2004年のお手軽移動
  □ 3-1 2004 QSO Party in 座間市
4 2005年のお手軽移動
  □ 4-1 2005 QSO Party in 南足柄市

2002年のお手軽移動
□ 1-1 2002年 1月 2日 QSO Party in 海老名市

 この時は、まだ簡易的に、ルーフレール基台を付けただけで、ボディに接地やバッテリーからの配線などはしていませんでした。新しいリグ(IC-706mkIIG)も改造中で、免許されてもいませんでしたので、古いリグ(10W)で10MのCWに出ることにしました。年末に買ったポールやタイヤベース、クリエイトの830Vのテストも兼ねています。
 移動先は、「移動」ともいえないほどの近所の空き地で、天気は曇っていましたが、撤収する頃には、雪がちらついてきました。
 今回は、「お化けポール」にもかかわらず、ステーの準備が間に合いませんでした。830Vは適合マスト径が太いこともあって、ポールは1段振り出しただけで、運用してみます。
近くの空き地&駐車場
Fig. 1-1

運用地は近くの空き地&駐車場

 Fig. 1-2のように、タイヤベースを固定します。下が草など柔らかいものだったり、石で凹凸が激しい場所は避ける、これ常識ですが、友人たちと移動した経験から言うと、ぬかるんでいたり、河原で石がゴロゴロしていたりで、なかなかきれいな平面はないものです。とりあえず今回は平たい場所がありました。
 ポールを固定したら、アンテナを取り付けます。この時は、マルチバンド(18MHz, 24.5MHz)で出るつもりもあったのですが、結局10年近く久しぶりに出た「古巣」の10Mにハマってしまったので、他のバンドに出ることはありませんでした。
 Fig. 1-3にもありますが、このアンテナはかなり大型です。広げると、車長の2倍くらいあります。
 重量もある上に、適合マスト径が太くて振り出しポールでは高く上げられませんから、モノバンドで出たい方は、移動にこのアンテナはやめたほうがいいでしょう。長いので、乗車定員も確実に一人減ります。
初めてタイヤベースを使っているところ
Fig. 1-2

初めて使ってみるタイヤベース

 今回は初めてなので、いろいろ分からないことや不都合はありますが、とにかく電波を出すことにします。
思ったより大きい830V-1
Fig. 1-3

思ったよりデカい! 830V

調整が終わったところ
Fig. 1-4

調整が終わったところ

 地上高が異常に低いので、SWRが下がるかどうか心配です。その他、なんだかんだと心配はありますが、他にアンテナはないので、やってみるしかありません。
 給電部はFig. 1-5のように、ケーブルの重みがコネクタにかからないように、バランの下でテープ止めします。
 また、本来ならコネクタ部分も防水のため、自己融着テープなどを巻きますが、今回は短時間のお手軽移動で、雨も(多分)降りそうもなかったのでそのまま運用しています。
 このアンテナは、最低バンドの10MHzだけは長さの調整が必要です。地上高が低かったですが、調整はVSWRで1.5強まで可能でした。但し、飛びに保証はありません。
バランの下でケーブルを固定したところ
Fig. 1-5

バランの下でケーブルを固定

ポールを1段振り出して固定したところ
Fig. 1-6

ポールを1段振り出して固定

リグは10W機 FT-757SX
Fig. 1-7

リグは10W機 FT-757SX

 さて、いよいよ運用です。
 この時点でウチには移動できるHF機はFT-757SXが1台しかありませんでした。QSOパーティーですから、パワーも必要ないので、この10W機でやることにしました。
 ダイヤルを回すと、にぎやかにCWが聞こえてきます。いよいよHFにカムバックです。空き周波数を見つけてCQを出すと、2局目で、このバンドの「主」的になった、高校の2年下の後輩が呼んできます。
 結局、この時は10MHzだけでしたが、30局足らずやりました。本当はもっとやりたかったのですが、正月の家族の予定があって、HF再デビューはここまでとなりました。
□ 1-2 2002年 2月11日 関東UHF Contest in 綾瀬市

 このコンテストがあるのは、忘れていた訳ではありませんが、買い物に付き合わされて、終了間際の1時間ほどしか出られませんでした。事前に、高校のクラブの後輩が、埼玉の山から出ると言うので、なんとかちょっとの時間でも出てみたいと思い、綾瀬市内の高台にある公園駐車場に移動してQRVしました。
 この時はIC-706mkIIGは改造されて50W機になっていました。しかし、局免の変更が間に合わず、免許されていたFT-726で430MHzに出ました。写真はありませんが、アンテナは、お手軽移動なので、ルーフレール基台に付けたホイップです。
 最初に、フルにQRVすると言っていた後輩を探します。FMで元気にCQを出していたので、呼んでみると一発で返ってきました。「先輩、結構ガツンときてますよ」とのレポート。向こうは山の上なので、関東平野なら(大山・丹沢に隠れる神奈川県西部を除いて)ガツン、なのでしょう。
 その後はCWに移りCQを出しますが、何せ残りが1時間ほど。皆さん局数が稼げるSSBやFMに行ってしまっているようで、10局余りしかできませんでした。
 終了間際には、急に曇ってきて大雪が降り出す始末。雪はすぐやみましたが、急いで撤収して帰りました。後に、その後輩から、詳細なレポートがメールで届きましたが、向こうも寒くて苦戦したそうです。移動運用するときは、暑い・寒いは当たり前ですが、長時間だとさすがにこたえます。
□ 1-3 2002年 8月 3-4日 Field Day Contest in 座間市

 この年前半は、体調がイマイチだったり、忙しかったりでALL JAや6m&Downには出られませんでした。ストレスもたまっていたところでしたので、このField Dayコンテストにフルに出場することにしました。この後はまたフルに運用する機会がなくなってしまったので、この年で、一番「本格的なお手軽」移動でした。
 場所は、これまた家から車で20分ほどの座間市の相模川の堤防です。朝のうちに行ってみて運用地点に目星をつけます。座架依橋のそばの公園あたりがよさそうなので、そこにしました。
 出るバンドはどうするか…山の上ではないのでHFでないと飛びません。コンテストで出たことがない、14MHzにすることにしました。朝から昼前にかけては、全国的に開ける、良いバンド…のはずでした。
 アンテナは、マルチバンドの730V-1を買ってありましたが、また例によって準備が悪く(要は、サボっていて)、ステーを作っていません。また、830Vで懲りたので、持っていく気になりません。ステーワイヤー(グラスロープ)はあるのですが、金具がないのです。仕方なく、いつだか後輩が言っていたように、「ダイポールならアンテナ自体がステーになる」ので、急遽、14MHzのダイポールを製作することにしました。
14MHzダイポールの給電部
Fig. 1-8

14MHzダイポールの給電部

アンテナを張ったところ
Fig. 1-9

アンテナを張ったところ

 朝のうちに、近所の空き地でダイポールを作り始めました。銅線を切り込んでいきながら調整中、なかなか中心周波数が上がってくれないので、一気に20cm切ったところ、いきなり共振点が目標周波数を大きく行き過ぎてしまいました。慌てて家で10cmハンダ付けして本番用にします。高校の頃は、こんなミスはしたことがないのに…自己嫌悪しきりです。こういうところに自らの歳を感じますね。
 そんなことをしていると、夕方になってしまいました。運悪く(というか、毎年こうなのですが)厚木市の「鮎祭り」の花火大会があるので、夕方と夜は通行止めも各所であり、うちの周囲は渋滞が始まるのです。
 同じ相模川の河原でも、うちの近くをあえて選ばなかったのは、こういう理由からです。早く脱出しないと、渋滞に巻き込まれてしまいます。
 座間市内で、夕食の弁当や朝食のおにぎりを買って現地に向かうと、何とそこ座架依橋には、すでに橋の欄干からダイポールやビームを吊るして、グループでオペレートを開始している人たちがいるではないですか…。しかもキャンピングカーで、本格装備です。
 元々運用しようと思っていた場所は、ちょっと離れた場所なので、バンドが違えば混変調を起こすほどの距離ではないのですが、マルチバンドに出ているようなので、14MHzに出てきたら諦めるしかありません。
夜明けの様子
Fig. 1-10

夜明け

 アンテナを上げ始めた頃には日も暮れ始め、運用できる状態になったときはすでに20時を過ぎていました。夕方から始まった厚木の花火は、小さいながらもきれいに見えています。それを見物に来た車で、河原の公園の駐車場はごった返しています。終わっても、皆なかなか帰りません。
 コンテストは花火の終わる21時に始まりましたが、座架依橋のアンテナからは14MHzはついに聞こえず、そのままオペレーションを続けました。
 夜の河原は夜中まで騒いでいるお兄さんたちや、元々住み付いているホームレスのおじさんたちで結構人通りがあります。駐車場の出入り口にアンテナを張っているので、怪しんでじろじろ見る人もいます。2時ごろには、お巡りさんもパトカーでやってきました。「職質」されるかと思いましたが、通り過ぎて行きました。アンテナが上がっていたからかもしれません。
余りに飛ばないので一休みしているところ
Fig. 1-11

余りに飛ばないので一休み

 肝心の交信局数はさっぱりです。夜中だからだと思っていたのですが、局が増え始めるはずの6時ごろになっても、バンドはスカスカ、6エリアと8エリア、たまに5エリアや4エリアが入ってくるのみです。他エリアではパイルになっている局もあるようなので、どうやら飛びが悪いようです。
 こればかりはもう、どうしようもありませんので、ただひたすら、CQを出しては呼びに回り、の繰り返しです。もっと高い所に移動すればよかった、と悔やんでも、後の祭り。
 さすがに14MHzだけあって時々、FやIで始まる局に、JAの局をはるかに上回る強さで呼ばれたりしますが、「ゴメンナサイ」とつぶやきながら、"SRI, JA only"と打って退散願います。
 14MHzでは、"CQ TEST"ではなく、"CQ JA TEST"と打たないといけないんですね。それでも呼んできそうな気はしますが…。
 昼になって、外は曇りですが暑くなってきて、車の中は蒸し風呂のようになります。風はあったので、水分を補給しつつ、何度となく公園の水のみ場で頭から水をかぶります。
 夏の移動は、木陰がないと本当に体調を崩します。環境に良くない、などといってエンジンを切っていたものの、昼頃からは車のエアコンをかけっぱなしにしました。
 こうなってくると、命の方が大事です(そんな思いまでしてコンテストやるな、と言われそうですが…)。
 14時を過ぎてラストスパートをかけますが、飛びに変わりはなく、最後までスカスカの結果でした。
蒸し風呂のような運用中の車内
Fig. 1-12

運用中の車内 蒸し風呂のよう

 帰る頃には頭がガンガンしてきて、へろへろになって帰りました。
 戦果も芳しくなく、約120局の約40マルチで、局種係数の2をかけても大したスコアにはなりませんでした。もうちょっと高い所に移動するのと、暑さ対策が必須、という教訓のみが残りました。
□ 1-4 2002年 8月18日 KCJ Contest in 海老名市

 この年はこれ以降、移動運用にカメラを持って行かなくなってしまったので、文章のみです。
 このコンテストは、「全国CW同好会」が主催しているシングルオペCWのみのコンテストです。大学生の時に、ちょっとだけ出ようと思って出たところ、次々呼ばれるので、ついに徹夜して出てしまい、結果が神奈川県1位で賞状までもらってしまいました。
 以来、毎年出ようと思っているのですが、バンドが50MHzまでのため、アンテナが上げられないこともあって、ずっと出られませんでした。
 移動ながらHFに出られるようになった今、出ない手はありません。しかし、またもや家事に付き合う羽目になり、体が空いたのが、コンテスト2日目の昼頃でした。どのバンドでもいいのですが、今回は神奈川1位だったのと同じ7MHzに出てみようと思いました。

 この日は、運悪く台風が近づいていて、大雨が降ったり止んだり、おかしな天気でした。時間が無駄ですから、遠くに移動するわけには行きませんので、また近くの空き地に車を止めて運用です。このとき初めて、MD-200の7MHzのコイルを使用します。
 調整は難なくできました。CWバンドはALL JA並みの混雑で局がひしめいています。「これこれ、これですよ、こう来なくっちゃコンテストは」などと言いながら、買ったばかりの350HzのCWナローフィルタをONにします。一通り呼びに回ってから、空き周波数を見つけて滑り込みます。CQを出すと、皆さん私が1stなのか、かなり立て続けに呼ばれました。コンテスト開始から今まで波を出していないのですから、当たり前ですが…。
 しばらくして、妙なことに気づきました。VSWRはぴったり1に調整したはずなのに、かなり長い時間をかけて2近くまで上がったり、1まで下がったりするのです。そのうち、雨が降ってくると上がることに気づきました。コイルはほとんど電波を出しっぱなしなので、かなり発熱していて、雨が止むと乾いてVSWRが元に戻るのです。

 そのうち、雨は土砂降りになってきて、VSWRは上がりっぱなしになってしまいましたが、"2"程度なら問題ないので、そのまま運用しました。
 結局この日は、昼過ぎからの運用で、交信数の「自称」が約150局、マルチが40足らずでした。もちろんログは提出しました。元々点数にこだわらない「お試し」で出たので、そこそこ楽しめました。
□ 1-5 2002 9月14日 南足柄市&足柄上郡移動

 神奈川県の中でも、南足柄というところは人口もあまり多くなく、三方を山に囲まれているので、V/UHF以上のバンドでは低地からではあまり飛びません。移動地としては、小山町との境、神奈川県と静岡県との県境にある足柄峠がメジャーのようです。
 今回は、その足柄峠の移動地がどんなものか調べに行くついでに、10MHzでちょっと運用しようと考えました。実はかなり前から考えていたのですが、なかなか行く機会がありませんでした。今回は、会社の休日出勤がありましたので、早朝(5時頃)に出て9時ごろまで運用して、会社に出る、という計画にしました。

 足柄峠は、南足柄の中心から、ほとんど一本道です。途中、バスが入ってくる地蔵堂という集落が、山あいにあるくらいで本当の峠道です。整備はされていますが、道は狭いところが多く、部分的に普通車でもすれ違いが厳しいところが残っています。上りきったところは、足柄万葉公園という公園になっていて、休日のみバスが来ています。ここで運用してもいいのですが、実はもっと高いところから運用できる、という情報を得ていましたので、そちらに移動します。
 万葉公園を過ぎて、さらに進んでゆくと、一旦降りる格好になってから少し上ったところで、静岡県との県境の標識が現れます。そこは三叉路になっていて、右に行くと小山町に下りる側で、左に折れると、なんだか(一見)未舗装の山道に続いています。
 実はこちらの山道こそが、金時山の登山口に繋がる道路です。途中未舗装のところもありますが、ほとんど舗装されていて、終点の駐車場が車で到達しうる最高地点です。そこから先は登山道なので、車は入れません。

 行ってみると早朝(6時半頃)で、車は2台ほどしか止まっていません。春や秋のトレッキングのシーズンには、大変な混雑が想像されます。もと来た道から見て、右側が静岡県駿東郡小山町、左側が神奈川県南足柄市ですので、左側に止めます。今回は、究極のお手軽移動ですので、MDC-200に10MHzコイルを取り付け、調整します。ところが、内蔵のエレキーが回り込みを起こして誤動作するなどして、対策(フェライトコア2回巻)に手間取り、調整が終わってやっと電波を出せたのが7時を過ぎていました。準備をしている間にも、車は続々とやってきます。しかし、なぜか帰ってしまう車も多く、駐車場にはさほど車は止まりません。
 肝心の無線の方はと言うと、短時間でしたが、結構よく呼ばれました。皆さん、朝早くから出ておられますね。こちらもJCCサービス、とまで気負っていませんので、QSO自体がのんびりしていて、1時間ほどで約20局お相手していただいて、山を降りました。終わる頃には、登山者の車で、半分ほどが埋まっていました。ここはやはりシーズン中は早い時間に来ないと場所がなくなってしまうようです。なお、冬場は凍結するので、それなりの装備が必要になることは言うまでもありません。

 会社の方は、定時少し前に仕事が終わり、ちょっと駐車場から波を出してみたくなりました。駐車場は民家から離れている上に、休日ですからガラ空きで、フルパワー出しても文句を言われる理由が見当たりません。
 そこで、再び10MHzで出てみました。今度は時間がいいのか、朝よりもガンガン呼ばれ、時々途切れることはありましたが、1時間ちょっとで約40局ほど交信しました。中には、朝の南足柄で繋がった方もおられました。あまり長々とやっていると、晩飯を片付けられてしまうので、1時間ちょっとで切り上げます。
 今回は10MHzだけでしたが、かなりよく飛びました。高校/大学の頃、固定で10MHzは100W+バーチカルで出ていましたが、それよりはるかによく飛んでくれる感じです。モービルでやっているとは思えません。お手軽移動にしては、上々の手ごたえでした。
□ 1-6 2002 9月23日 高座郡寒川町移動

 南足柄/足柄上郡移動で味を占めた私は、23日の秋分の日に高座郡寒川町に移動してみることにしました。周波数は同じ10MHzです。毎回家の近くからばかりでは芸がないので、ちょっと離れた場所で、JCC/JCG的にも「雑魚」でない場所を探していました。それが寒川町だったというわけです。寒川町は家から20分ほどですが、見晴らしの良い高い場所はないので、相模川の堤防から運用することにします。
 有名な寒川神社の近くに、スポーツ公園という相模川の河原に作られた公園があります。駐車場は堤防の内側にあるため、外からここの駐車場に入るためには堤防を越えなくてはなりません。その堤防の上に車を止めての運用です。
 昼間は買い物などでつぶれてしまいましたので、16時頃から運用を始めました。この日はコンディションがイマイチのようでしたが、それでも結構呼ばれました。3時間ほどで60局足らずお相手していただき、晩飯の時間となりましたので、帰宅しました。
 ただ、これを書いている時点(04年9月下旬)の状況では、ここは今後、「さがみ縦貫道(圏央道)」の高架橋脚の下になるようで、すでに工事が始まっています。ここで書いた運用場所は、すでに工事現場の柵の中に入ってしまっており、今度の運用は、河原の駐車場かグラウンド周りの空き場所にて行なわざるを得なくなるでしょう。

2003年のお手軽移動
□ 2-1 2003年 1月 2日 QSO Party in 横須賀市

 2003年が明けました。以前に研修で使った三浦郡葉山町の「湘南国際村」からの眺めがすばらしかったので、相模湾の向こうに見える富士の写真を撮ることにしました。ついでに、QSOパーティーはここから電波を出してみることにしました。
 藤沢市内から、渋滞で有名な国道134号線に出る経路を通ります。鎌倉周辺では、初詣の車で渋滞することが予想されますので、まだ夜も明けない5時頃に出ました。この日はよく晴れたのですが、朝のうちは、あいにく、元旦の夜に降った雪のおかげで、路面はいたるところで凍結していて、スリップした車が何台も、変な方向を向いて止まっていましたました。こちらも「丸腰」ですので、慎重に運転します。

 途中、渋滞はほとんどなく、現地に着く頃には日も上がって、路面の凍結は日陰だけになっていました。まずは日の出直後の写真を撮ります。湘南国際村の宿泊施設がある南側は公園になっていて、相模湾から箱根、富士山までが一望できます。しかし、真冬なのに昨日の湿度が残っているのか、イマイチ雲や霞がかかっていて、うまい具合に富士山が姿を見せてくれません。仕方なく、写真は途中で諦め、無線にシフトします。
 湘南国際村の北側の丘の上に、横須賀市水道局の給水施設があり、その中階が「カフェ ベラビスタ」という洋食屋になっています。朝早いので、ここの駐車場が空いていました。眺めも最高なので、ここから運用することにします。ただ、横須賀市の施設とはいえ、一応お店の駐車場なので、混んできたら退散することにします。
 当初、21MHzに出ようと思っていました。アンテナ(コイル)を調整し始めたところ、全然VSWRが下がってくれません。どこをどうやっても∞のままです。接触不良かと思って、そこかしこの接触点をぐりぐりやってみても変わりません。時々、思い出したようにストンと値が落ちるのですが、すぐまた元に戻ります。そうこうするうちに、QSOパーティーが始まってしまいました。仕方なく、14MHzと50MHzで出ることにしました。

 「混んできたら退散することにします」などと書きましたが、すでにこの時点でほとんど満車状態。最低20局やらなければ帰るわけに行かない、と必死になりますが、コンディションの方があまりよくないようで、なかなか20局には届きません。ただ、ここは洋食屋の駐車場でもありますが、1階は小さな水道博物館のようになっていて、そこに来て帰るだけの(それと景色を眺めに来る)人も多いようなので、店に行かないからといって特に問題はないようでした。
 結局14MHzで20局、50MHzで2局だけ交信して、昼過ぎに退散しましたが、帰りは国道134号の名物渋滞に、さらに藤沢市内も大渋滞にハマり、帰ったら夕方でした。裏道を開拓しないといけません。それより何より、やはり正月は遠くに出かけないに限るのかもしれません。
□ 2-2 2003年 4月28-29日 All JA Contest in 高座郡寒川町

 この年のALL JAは3.5MHzで出てやろうと決めていました。開局当初から、あまり出たことのないバンドであるとともに、3.5MHzのコイルを手に入れたので、どこまでできるのか、試してみたかったのです。場所は、前年の秋に見定めていた高座郡寒川町の相模川の堤防の上にします。春ですから、さほど暑くもならないだろうと、甘い予測の元…
 コンテストは21時からなので、20時頃に家を出て現場に向かいます。夜ですから渋滞もなく、20時半頃には現場に到着したのですが、要領の悪い私はアンテナの調整だのラゲッジスペースの片付けだのに時間がかかって、結局また開始ギリギリになって慌てふためいておりました。
 3.5MHzのコイルは、VSWR自体が中心周波数では"1"近くまで下がりますが、値が低い(<1.5)帯域は15kHzほどしかなく、CWバンドに合わせたら、SSBにQSYする時には再調整が必要です。VSWRが"2"程度になっても、パワー自体はそこそこ伝送されていますし、リグ自体にダメージはすぐには出ませんが、連続運用した時に、ちょっと気になります。

 さて、いよいよ3.5で運用を開始します。さすがにローバンドは、ナローフィルターがないと疲れます。IC-706mkIIG改にCWフィルタは、500HzのFL-100と250HzのFL-101を入れてあります。通常HFで運用するときは500Hzですが、今回は250Hzです。IFが9MHzのフィルタなので、スカート特性はイマイチで、開局した頃に使っていたTS-830Sの8.83MHzのよりは少し甘いです。でもこの小ささで、250Hzと500Hzの2本のフィルタが入れられて、コンテストで勝負になるんですから、すごいもんです。
 コンテストを開始してから、明朝の5時頃までは夜間ですから、かなり安定して国内全域とできました。さすがに6エリアや8エリア、7エリアでも青森は局数が減りますが、それでも入らないわけではありません。高校でコンテストに出ていた頃から思いますが、このバンドは皆さんパワーが入りまくってます。都市部の狭い敷地ではフルサイズなど夢ですから、地方の局が多い→隣家が離れている→ハイパワーが出せる、という図式(勝手な想像)ですが、本当に皆さん「ガツーン」という感じでメーターを振らせてきます。今回も、実際こちらからの信号は、パイルになるとなかなか取ってもらえませんでした。
 7時頃になると、コンディションが枯れてきて、8時ごろにはほとんど近くのエリアしか入らなくなってしまいました。天気はよく、暑くなりそうです。枯れたバンドで、CQを連呼してもバッテリーの無駄なので、コイルを14MHzや50MHzに付け替えて、これらのバンドで遊んでいました。14MHzは、昨年のフィールドデーのときと違って、コンディションが良かったようで、1時間半余りで50局ほど交信できました。
 10mほど離れた同じ場所に、軽ワゴン車でおじさんがやってきました。コールは聞きませんでしたが、私がアンテナを立てているのを見て車に近づいてこられて、どのバンドをやっているのか聞かれました。その時はすでに14MHzは終わっていたので、3.5MHzと50MHzだと言うと、おじさんは「私は21MHzなので大丈夫ですね」、と言って運用を開始されました。50MHzでも10局ちょっとやった頃、また車内が暑くなってきました。

 当初はどうしようか迷っていたのですが、一旦帰って昼寝して、また夕方ここに来て運用をすることにしました。昼間も全くバンドが開けないわけではありません。発電機を回してフルサイズのDPでも上げてやるバリバリコンテストなら絶対にこんなことはしませんが、「お手軽」がコンセプトでやっているので、自分としてはこういうのも「アリ」と考えています。
 家に帰って昼寝をして、再び動き出したのが15時半頃です。また同じ場所にやってきて電波を出し始めたのが17時前。すでにコンディションは良くなっていて、もっと早く出て来れば良かったと後悔しますが、またまた後の祭りです。さらにバッテリーが続く限りやろうと思っていたのですが、19時前にはバッテリーが切れてしまいました。パワーダウンして最後の交信を終え、片付けて帰路につきました。
 結局このコンテストでは、170局余、約40マルチで、「ま、こんなもんかな」な結果でした。14と50のデータは、チェックログとして提出しておきました。唯一残念だったのは、バッテリーが切れてしまったこと。次回このバンドでやる時には、家に帰ったときにいくらかでも充電をしておこうと思いました。
□ 2-3 2003年 8月 2日 Field Day Contest in 海老名市

 この日は体調があまり優れず、またまた厚木市の花火大会と重なってしまったため、いつもの近所の空き地にしました。例によって時間ぎりぎりに出て、現場に着くと、ここからもよく花火が見えるので、花火見物の車で満車になっています。もうダメか、と思いつつ探してみると、空きがあったので滑り込みます。コンテストが始まるのと、花火が終わるのが同時刻なので、花火が終わると同時に他の車は帰ってしまいます。
 この日は、Eスポを期待して50MHzで出たのですが、あまりにも出ている局が少ないので、10局ちょっと交信するのに1時間以上かかりました。もちろんロケーションが悪いのが主な理由だとは思いますが、この日はこれでメゲてしまい、家に帰ってそのまま寝ました。
 次の日も体調がイマイチで、結局このコンテストはログは出したものの、下の方で終わってしまいました。

2004年のお手軽移動
□ 3-1 2004 QSO Party in 座間市

 この日は10MHzで綾瀬市の公園駐車場から出ようと思っていました。ところが、朝飯を食べて10時過ぎに現地に着いてアンテナを調整しようとしたところ、送信状態になった瞬間にリグの電源が落ちてしまいます。これではアンテナが悪いのか、何が悪いのか、さっぱり分かりません。VSWRが高すぎて、プロテクトが働いてしまうのだろう、と推測しますが、パワーを落としても同じことが起こります。極端な話、絞り切っても状況は同じです。ダミーロードを持って来ているわけでもなく、これ以上、確認のしようがありません。
 ゴチャゴチャやっているうちに、電源を入れて間もなく、送信もしていないのに落ちてしまうようになりました。仕方なしにこのリグを諦め、FT-757SXで運用することを決め、急いで家に帰りました。電源コードはバッテリー切替ボックスに付けたままですし、エレキーは内蔵(パドルは車に積んだまま)なので、本体だけでいいはず…でした。この、パドルに関する判断が更なるハマリを生むことになるのです。もしアンテナ系がやられていた場合に備えて、古い430MHzのハンディ(TH-45)も持って行きます。IC-706mkIIの故障原因も確認するため、ダミーロードも持って行きます。時間はすでにもう昼です。

 綾瀬の公園の駐車場は、正月休みで天気もいいので、止められない可能性があります。そこで、昨年フィールドデーで出た座間の相模川の河原でやることにしました。
 車を止めて、コイルを取り付けて…またまた自分のドジに気が付きました。パドルは確かに積んであるのですが、コードがIC-706mkII専用の「RJ45モジュラージャック」につなげるタイプを付けたままでした。FT-757SXの方は6.3mmφのステレオ標準プラグですから、別のコードが必要ですが、家に置いて来てしまいました。ごそごそやっているうちに、どんどん時間は過ぎてゆきます。
 仕方なく、「非常用に」と持ってきたハンディでシガーライターから電源を取り、アンテナはいつも積んでいる144/430のホイップに切り替えて、430MHzのFMで出ます。CQを出している局はいるのですが、パワーが5Wなせいか、他局が呼んでいると必ず負けます。これでまた時間がかかり、20局終える頃には日が暮れて寒くなってきてしまいました。
 どうせ家からは出ないのですから、コード類は車に積んでおくべきだと思いました。今回はこんなことで、CWに出られず散々でした。

2005年のお手軽移動
□ 4-1 2005 QSO Party in 南足柄市

 2005年が明けました。去年は結局なんだかんだと忙しく、電波を出せたのはNYPの1回だけ(試験電波は出したが…)でした。今年はもうちょっとアクティビティを上げたい、と思いながらNYPにQRVする計画を立てることにします。
 運用場所は、以前(10年以上前!)に行ったことのある、南足柄市の範茂(のりもち)史跡公園。ここは分かりにくい場所にありますが、ちょっとした高台にあり、駐車場もトイレもあります。高台と言っても三方を山に囲まれた足柄平野の中ですから、V・UHFでは飛ばないでしょう。バンドは、WARCバンドの10,18,24.5のいずれかにします。HFですから、ロケーションの悪さは、あまり気にしないことにします。
 今回も、ポールを立てずにモービルホイップでお手軽に行きます。バッテリーは昨年のうちにフル充電しておき、当日は朝5時半過ぎに出発しました。本当ならこんなに早く出なくてもいいですが、快晴だったので、途中で夜明けの富士山の写真を撮るためです。
 6時半前、兼ねてからチェックしていた写真ポイントに到着。ここで故障その1。いつも付けている腕時計(年差15秒)と、念のために持ってきた電波置時計が違っていることに気が付きました。慌てて電波時計を強制受信させて校正してみると、なんと腕時計が遅れていたのです。電池交換と防水検査したばかりなのに! 運用は電波時計にします。
 さて、写真を撮り終わって、途中コンビニで昼飯の弁当を調達し、現地に着くと8時過ぎです。周囲はみかん畑で殆ど人も訪れない、静かなところです。開始までの時間は、3つのバンドのコイルの調整を行ないます。
 昨年は、ここでパワーが出ずにパニックになりましたが、今年は来る途中にダミーロードでパワーが出ること確認しながら来ましたし、10Wの予備機の準備もしてあります。10MHzのSWRが1まで下がらない(1.8)ことを除いては、コイルの調整までは順調に終わりました。各バンドをワッチしていると、24.5は殆ど人がいません。18はぽつぽつで、10はかなりな混雑です。
運用場所は公園の駐車場
Fig. 4-1

運用場所は公園の駐車場

 最初は24.5のCWでCQを出しましたが、全く呼ばれません。仕方がないので、混んでいる10でとりあえず20局やってから、他のバンドでのんびりやることにします。
リグの調子が悪くなった直後
Fig. 4-2

リグの調子が悪くなった直後

 10に降りてきたのは9時半頃でしたが、すでにバンドは満員で数100Hzおきに局が並びます。フィルタを500Hzにするか、350Hzにするか、迷うところです。隙間を見つけてCQを出しますが、向こうからの電波は来るのに、こちらからの電波は飛んでいない、いわゆる一方通行なのか、いきなり他の局が100Hzも離れていない周波数でCQを出し始めてつぶされてしまいます。呼びに回ると取ってはもらえますが、パイルになると負けてしまいます。
 やはり、垂直系のアンテナではダメなのか、短縮率が大きすぎるアンテナでは飛ばないのか…パワーは50Wなので、それほど不足はないはずなのですが。
 そんなことを考えながら、2時間ほどかけて10で26局やって昼食にしました。
 昼食後は、他のバンドでのんびりやろう、と18で2局、予定外の14で5局ほどやっていた時のこと。送信中に「ビュー」とも「ギュー」ともつかない、廻り込みのような音が聞こえたと思ったら…こともあろうに、交信中にキーダウンすると突然リグの電源が落ちたかと思うと、今度は勝手にオンするようになってしまいました。パワーも30Wほどに落ちています。交信中ですから、相手に数文字送ると電源断/勝手に再投入を繰り返しながら何とかファイナルまで送り、交信を終えました。あーあ、故障その2です。
 その後、送信すると短点1個も打たずに電源が落ちてしまう現象(昨年と同じ)が生じてきました。この現象は、あちこちいじる間に治りましたが、相変わらず送信パワーは落ちたままですし、数文字打った後の「勝手に電源断/再投入」の現象は変わりません。本当ならここで予備機の出番ですが、バッテリーが予想に反して上がりかけている可能性もある(テスターを持っていかなかった)ので、運用を打ち切りました。
 今年も散々です。ロクな年にならないでしょう…と思っていると、帰りの車の中で、突然のどが痛くなって悪寒がし始め…後はいつもの風邪っ引き。
 ついに自分の体まで壊れて、故障その3。この後、小康状態となったものの、咳が出始め、呼吸器科の予約を取る自分が…。インフルエンザではなかったらしいのがせめてもの救いでした。
範茂史跡公園の中
Fig. 4-3

範茂史跡公園の中

 帰って調べてみると、バッテリーの無負荷電圧が11.7V…これって、「空っぽ」じゃん。もしかしたら、殆ど使わない(充電は時々している)ので、容量が減ってしまったのかもしれません。鉛蓄電池ですから、メモリー効果ではないはずです。もう買い替えなの?
 こんな具合で、20回目の記念すべき?NYP参加はあっけなく終わってしまいました。昨年末から、オルゴールは壊れる、腕時計は狂う、リグ&バッテリーはおかしくなる、風邪は引く…今年も早く「厄払い」に出かけないとダメですね。