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初めて出会った3曲(または3パート)72弁のムーブメントと熊野洞製のボックス。これにどっぷりハマって10ン年。当時は独身の強み?もあって、結構なペースで楽しみながら集めていました。所帯持ちになってからは、なかなか買えませんが、今度は聞く楽しみを極めるべく、共鳴箱を作ったりしています。それでは、以下に持ち物の紹介をいたします。
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□ 1-1 シューベルトのアヴェマリア他2曲(No.91) |
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バッハのカンタータ147番(「主よ、人の望みの喜びよ」で知られます)の入った「手の届く」オルゴールが欲しいな、と思っていたところ、一人で清里を訪れた際、ホールオブホールズ隣のショップで偶然に出会って衝動買いしたものです。10年程前のことです。3曲目にその曲が入っています。 このクラスになると、私にとってはとても「手が届く」シロモノではなかったんですけど…慌てて、駅から来る途中にあった地元信用金庫のATM機でお金を下ろし、当時は3%の消費税も、飲み会に行ける程もかかりました。 帰りの電車の中で、何度も箱を開けてみたくなったのを覚えています。おもちゃを買った子供と同じですね。
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Fig. 1-1
72弁ムーブメント No.91
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Fig. 1-2
No.91 正面
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Fig. 1-3
No.91 背面
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購入した当初、ボックスの製作者が「熊野氏」であるということは、店に出ていたPOPで知っていました。その時は、特に興味は持たなかったのですが、ある日、横浜の百貨店に臨時に出展する、との記事が新聞の地方面に載り、行ってみることにしました。 当時、ちょうどムーブメントの音量がアンバランス気味(高音の方が強い)なのが気になっていて、櫛歯がずれているのではないかと思っていたところだったので、相談してみることにしたのです。 お会いしてみると、大変気さくな方で、櫛歯の調整も無理を言う私に、「ずれてないと思いますよ。本当は余りいじらない方が良いんですが…」とおっしゃりながらもやっていただきました。メンテナンスもずっとやっていただけるとのことで、安心して帰って来た次第です。このときから、熊野洞製のオルゴールの大ファンとなりました。 ボックスはウオールナット(響板も同じ)で、ムーブメントは、高音域のトレモロが美しい音色を奏でるものです。
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□ 1-2 パッヘルベルのカノン(3part No.44) |
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この曲も好きな曲のひとつです。熊野さんが来られた横浜の百貨店で見つけ、後日購入しました。ボックスの材質は、槐(えんじゅ)とのことです。このページをご覧になった熊野さんからお教えいただきました。 ボックスの大きさが、熊野洞の他の72弁のムーブメントのものに比べて小さめです。このムーブメントは低音のエネルギーが非常に大きく、このボックスでは今ひとつ低音が出し切れていないような感がありましたので、共鳴箱を作って乗せてみたところ、のびのびと鳴ってくれました。 一方、高い方の音は、包み込むような柔らかな音がします。柔らかめのこの樹種の特性かと思います。 3パートですので、3回転で1曲です。
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Fig. 1-4
72弁ムーブメント No.44
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Fig. 1-5
No.44 正面
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Fig. 1-6
No.44 背面
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□ 1-3 ショパン 別れの曲 (3parts No.6) |
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これも熊野さんが、各地の工芸品を集めた即売会で、横浜の百貨店に来られた際に購入しました。ショパンの曲はどれも好きで、過去には簡単なものは自分で弾いていたほどですが、特にこの曲が好きで、3パートのものを探していました。 ボックスも響板もウオールナットです。この樹種らしく、はっきりとした粒の揃った音が出ます。この曲は、音域がさほど広くないので、主旋律にはほとんどの音が2本の弦が使用されており、音に深みを与えています。 ボックスのデザインは、蓋にR(曲面)が付き、足は袴をはいたような格好になっているもので、上の2台よりもちょっとレトロ調な感じの物です。
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Fig. 1-7
72弁ムーブメント No.6
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Fig. 1-8
No.6 正面
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Fig. 1-9
No.6 背面
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□ 1-4 モーツアルト ピアノ協奏曲第21番第2楽章 (3parts No.25) |
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注文で製作していただきました。箱の上面がガラスなのはどれもそうですが、蓋もガラスでできている、ちょっと変わったデザインです。仙台箪笥の技術を使って、このような特殊な蓋もボックスも、寸分の狂いもなく組付けられているのに驚嘆するばかりです。 ボックスは楓(かえで)で、響板がスプルースです。この曲は、弱音器を付けたバイオリンの旋律の上を、ピアノが滑るような落ち着いた曲想です。このボックスと響板の組み合わせがこの曲にベストマッチで、柔らかに包むような音が流れます。 注文の時に、柔らかな楓を指定し、響板はお任せで作っていただきましたが、この選択が大正解で、気に入っています。
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Fig. 1-10
72弁ムーブメント No.25
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Fig. 1-11
No.25 正面
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Fig. 1-12
No.25 背面
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□ 1-5 モーツアルト 魔笛他2曲 (No.29) |
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これも注文で製作していただきました。ボックスは欅(けやき)で響板はウオールナットです。欅はその木目のダイナミックな美しさで、豪壮な仙台箪笥にも使用されているそうです。元箪笥職人の熊野さんの技術が生きるところです。このボックスも非常に木目がはっきりときれいです。響板はウオールナットです。 音の方は、ウオールナットのボックスと似たハッキリとした力強い音がします。 曲は魔笛の他に、それぞれモーツアルトでEine kleine Nachtmusik とトルコ行進曲が入っています。
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Fig. 1-13
72弁ムーブメント No.29
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Fig. 1-14
No.29 正面
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Fig. 1-15
No.29 背面
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□ 1-6 J.S.バッハ 主よ、人の望みの喜びよ (3parts No.26) |
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注文で、結婚記念に製作したものです。先の2-1-5のボックスで、欅の音が気に入ったので、これも欅のボックスとウオールナットの響板で製作していただきました。 ボックスの形状は、曲面のないシンプルなものですが、前回作った欅の木目とはまた一味違う表情をしています。 清里で、熊野さんのオルゴールにはじめて出会った時に探していたのがこの曲で、思い出深いものがあります。ちなみにこのムーブメントは、製作を依頼した時点で、生産中止で在庫のみ、とのことでした。 音の方は、前の欅のボックスよりはマイルドな、それでいて粒のハッキリした音がします。
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Fig. 1-16
72弁ムーブメント No.26
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Fig. 1-17
No.26 正面
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Fig. 1-18
No.26 背面
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息子の1歳の祝いに購入したものです。 18弁のシンプルなものですが、これがどうしてどうして、共鳴箱に乗せてやるとびっくりするような大きな音が出ます。 息子はおもちゃにして、多少落としたりぶつけたりしていましたが、頑丈にできているせいか、何ともないようです。今では学校に上がって、共鳴箱を出してくると必ず「僕のも鳴らして」と要求してきます。 材質は「えんじゅ」(漢字が分かりません)とのことですが、音色的には欅やウオールナットに近い音がします。この大きさのボックスの特徴なのか、本体と同じ材質の板が底板として使われています。
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Fig. 2-1
18弁ムーブメント No.5396
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Fig. 2-2
No.5396 正面
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Fig. 2-3
No.5396 背面
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