□ R06年12月期 A-24  Code:[HE0306] : 単一正弦波で変調したAM波のスペクトル振幅から変調度を求める
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03/31 R06/12月期問題頁掲載
03/31 R06/08月期問題頁掲載
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03/31 R05/08月期問題頁掲載
03/31 R05/04月期問題頁掲載
H3612A24 Counter
無線工学 > 1アマ > R06年12月期 > A-24
A-24 単一正弦波を信号波として振幅変調(A3E)した振幅変調波eをスペクトルアナライザで観測したとき、図に示す結果が得られた。この振幅変調波の変調度の値として最も近いものを下の番号から選べ。ただし、図はスペクトルアナライザのデシベル表示された値を電圧(振幅)の大きさV [V]に変換したものである。また、振幅変調波eは、m×100 [%]を変調度とした時、次式で表せるものとする。
 
  :搬送波の振幅 [V]
  C:搬送波の周波数 [Hz]
  P:信号波の周波数 [Hz]
  :時間 [s]
30 [%]
40 [%]
50 [%]
60 [%]
問題図 H3612A24a
Fig.H3612A24a

 この問題は、今回(R6年12月期)が初出ですが、昔はスペアナを使って変調パラメータを測定する、というのはプロの世界の話でした。今や、ポータブルで安価でも数GHzまで測れる物も出てきているので、今後も「スペアナで変調パラメータを測る」問題は増えると思います。

[1]振幅に着目…数学が得意な方向け

 この問題は、解き方が(少なくとも)2つあります。最初は、数学が得意な方、三角関数の公式等をきちんとマスターされた方向けです。なお、この解説を通して、振幅変調波の変調波は単一周波数の正弦波であることを前提とします。
 三角関数の積を和に変える公式は、
 
です。搬送波や信号波の式で、cosとsinが入れ替わっている場合もありますから、左辺のsinやcosが入れ替わっている公式も同様に記憶しておく必要があります。ただ、sinがcosに変わったり、その逆があっても、搬送波や信号波の位相がπ/2ズレるだけで、以下の振幅や電力の議論の本質に差はないので、ここではこの一つの公式だけを挙げておきます。
 ここで、搬送波の(角)周波数をωc [rad/s]、信号(被変調)波の(角)周波数をωp [rad/s]、搬送波の振幅をV [V]、変調度をm、時間をt [s]とすると、振幅変調波の信号e [V]は以下の式で表されます。
 
(2)式の第二項、を、(1)式を使って書けば、
 
となりますから、(2)式をさらに詳しく書けば、
 
となります。(4)式の右辺第一項(cosωctの項)は搬送波、右辺第二項(mV/2がかかっている項)の{ }の中が(ωc+ωp)の上側波帯(USB)と(ωc−ωp)の下側波帯(LSB)になります。つまり、この(4)式が、スペアナの画面に現れる搬送波と両側波帯の信号波形を表しているのです。
 USBとLSBの成分の振幅は同じなので、各々の振幅成分(搬送波の振幅:VCar、片側の側帯波の振幅:VSSB)だけを抜出して関係を書けば、
 
となります。後は、問題で問われている(求めるべき)パラメータに応じてこの比例式を解いて、
 
のいずれかを求めれば良いわけです。

[2]電力に着目…比だけで解ける

 上の解き方は、三角関数の公式((1)式)を正確に記憶している必要がありますが、私などはcosとsinが入り乱れて、正確に記憶できません。ここでの解き方は、そのような方向けですが、振幅変調波の搬送波と側帯波成分の各々の電力についての関係式(下記(7)式)だけは記憶している必要があります。これを理解していれば、後は比の計算だけで解けます。
 そのカギは、電力∝電圧2であることです。もちろん、交流回路においては、比較する2種類の電圧が同じインピーダンスの回路のものである必要がありますが、高周波の計測系は通常50 [Ω]に統一されていますので、電力∝電圧2が成り立ちます。
Fig.HE0306_a AM変調波のスペクトルと電力
Fig.HE0306_a
AM変調波のスペクトルと電力
 搬送波の電力をPCar [W]、両側帯波の合計電力をPSSB [W]とすると、
 
が成り立ちます。なお、この式自体が問題になっているものの解説は、H2008A13等を参照して下さい。
 この式が言っているのは、搬送波電力を1とすると、両側帯波の電力(の合計)はm2/2(片側の側帯波では半分のm2/4)だということです。ここで、搬送波振幅をVCar、片方の側波帯の振幅をVSSBとすれば、上で述べた電力∝電圧2の関係を使って、
 
ということです。(8)式から問題で問われている(求めるべき)パラメータに応じてこの式を解いて、
 
となりますが、これは当然のことながら(6)式と一致します。

それでは、解答に移ります。
 題意の数値(VCar=3.2 [V]、VSSB=0.8 [V])を(6)式又は(9)式の一番上の式に入れれば、m=0.5(50 [%])と求められます。従って、解答はと分かります。

 問題文にもありますが、グラフの縦軸はリニア(比例)軸になっています。通常は、スペアナの縦軸は[dB]なので、問題を解きやすくしてくれている、とも考えられますが、dB表記のままでも解けるようにして下さい(「現場」ではその方が役に立ちます)。