□ R05年04月期 A-08 Code:[HD0609] : RSフリップフロップの回路と順序回路としての動作 |
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無線工学 > 1アマ > R05年04月期 > A-08 |
A-08 |
図に示すRSフリップフロップ回路において、入力(R,S)=(0,1)を与えたとき、出力(X,Y)=(1,0)の状態となった。その後、入力(R,S)を(0,0)→(1,0)→(0,0)と変化させた後の出力(X,Y)の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、正論理とする。
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私の記憶のある限りでは、これまで論理回路の出題で、この問題のような「順序回路(定義は下記に)」は出題されたことがありません。ただ、これも論理回路の動作が理解できていれば、解けない問題ではありません。
[1]順序回路とは
(正確な定義ではないかもしれませんが)論理回路のうち、入力が変化する時、出力がそれ以前の状態に依存するものを順序回路と言います。具体的には、以下の解説の中で触れますが、複雑な処理をする論理回路は、殆ど全てこの論理回路で成り立っている、と言ってもいいくらいです。 論理回路のうち、入力が変化した時の出力が、変化以前の状態に依らないものを組合せ回路と呼びます。
[2]順序回路の実例
(1) RSフリップフロップ
Fig.HD0609_aの左にある回路を、RSフリップフロップ(以下、RS-FF)と呼びます。これまで出題されてきた論理回路の多くと決定的に違うのは、出力の一部が入力に入っている点です。 このような回路は、単純に真理値表だけでは考えにくいので、タイミングチャートでその動作を考えた方がいいです。 なお、以降の回路の論理は正論理で記述します。
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 Fig.HD0609_a RSフリップフロップの動作
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入力RとSには条件があるのですが、その条件はまず横に置いて、この回路の動作をFig.HD0609_aの遷移1〜4の順に見て行きます。簡単に復習ですが、回路A、Bは何れも2入力NOR回路ですから、2つの入力が共に0の時にのみ1が出ますが、それ以外の入力の組合せ(どちらかが1)では0が出ます。
【遷移1】
初期の定常状態は、入力が(R,S)=(0,1)で出力が(X,Y)=(1,0)とします。この状態から、Rはそのまま、Sだけを0に落としたとします。すると、Sが0に落ちたことを受けてもBの入力は(0,1)ですから、出力Yは0のまま変わりません。Aの方も、Rは0のまま、Yも0のままですから出力Xも1のままです。
【遷移2】
次に、Sはそのまま、Rだけを1に上げます。すると、Rが1に上がったことでAの入力は(0,0)→(1,0)になりますから、出力Xは1→0に落ちます。これを受けてBの方は、入力が(1,0)→(0,0)になるので、Yは1に上がります。
【遷移3】
次に、Sはそのまま、Rだけを0に落としたとします。すると、Rが0に落ちたことを受けてもYは1のままでAの入力は(0,1)で変わりませんから、出力Xはのまま変わりません。Bの方も、Sは0のまま、Yも1のままですから出力Yも1のままです。
【遷移4】
最後に、Rはそのまま、Sだけを1に上げます。すると、Sが1に上がったことでBの入力は(0,0)→(1,0)になりますから、出力Yは1→0に落ちます。これを受けてBの方は、入力が(0,1)→(0,0)になるので、Xは1に上がります。
代表的な回路の動作は以上ですが、この他にも、
【遷移5】
出力(X,Y)=(0,1)の状態から、入力(R,S)を(0,0)→(1,0)に遷移させる
→出力に変化なし。(0,1)のまま
【遷移6】
出力(X,Y)=(1,0)の状態から、入力(R,S)を(0,0)→(0,1)に遷移させる
→出力に変化なし。(1,0)のまま
となることが、タイミングチャートを描いてみると分かります。ここで、この回路の動作をまとめると、
・入力RやSの「立下り」では出力は変動しない
・出力が変化するのは、遷移2と遷移4の条件のみ
・それ以外はRやSが立ち上がっても出力は変化しない
ということになります。見方を変えると、この回路は、変化以前の出力の状態に関わらず、
・入力Sを0→1にすることで、X=1 Y=0に「セット」する
・入力Rを0→1にすることで、X=0 Y=1に「リセット」する
という動作をします。これが、RS(リセット−セット)-FFの語源になっているわけです。 なお、上の動作からもお分かりのように、出力(X,Y)は定常状態では常に互いに反転しており、(0,0)又は(1,1)となる状態は、このRS-FFの動作では通常ありません。また、RとSを同時に1にすることも禁止されます(出力が不定になるため)。
(2) Dフリップフロップ
上のRS-FFよりも、ここで取り上げるDフリップフロップ(以下、D-FF)の方がよく使われています。この後に述べるように、デジタルデータを任意のタイミングでサンプリングできるためです。 内部の詳細な回路構成や動作は、複雑になるので出題されないと思いますが、動作は理解しておいた方が良いでしょう。
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 Fig.HD0609_b Dフリップフロップ
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図記号は広く用いられているMIL記号の場合、Fig.HD0609_b左のようなシンボルになります。入力は、データD、クロックCK、プリセットnPR(負論理なので、頭にnを付けます)、クリアnCL(nCLRと書くこともある)です。 このうち、nPRに0を入れている間は、DやCKに何が入ってきても、出力(Q,nQ)=(1,0)に固定されます。また、nCLに0を入れている間は、DやCKに何が入ってきても、出力(Q,nQ)=(1,0)に固定されます。 セット、リセットの機能ですから、初期化等で使うことはありますが、通常使用する場合は、これらの入力は1に固定しておきます。 また、QとnQには常に反転した出力が現れます。
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Fig.HD0609_b右のタイミングチャートで動作を説明します。 Dに入ってくる信号は、通常クロックとは無関係に変化しています。D-FFはクロックの立上りの瞬間のDのレベルを見て、1ならば(Q,nQ)=(1,0)を、D=0ならば(0,1)を出力します。クロックの立上りエッジでないタイミングにDが変動しても、出力は一切変動しません。また、CK端子は名前こそ「クロック」ですが、一定の時間間隔の信号でなくても構いません。Dの値を捕まえたいタイミングで立ち上がる信号を加えてやればいいのです。この機能を「ラッチ(掛け金)する」とも言います。 例えば、8bitのA/Dコンバータで、変換終了後のタイミングでデータを保持しておく必要がある場合、D-FFをビット数分だけ8個並べて、データが確定したタイミングで、全てに立上りエッジの信号をクロックとして入れてやれば、次の立上りが来るまで、データは保持されます。 このような、一時的な「メモリ」のように使うこともでき、複数bitをまとめてこのような使い方をする場合は「レジスタ」と呼ばれることがあります。
(3) JKフリップフロップ
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フリップフロップにはFig.HD0609_cのようなJKフリップフロップ(以下、JK-FF)と呼ばれるものがあります。 正直申し上げて、この回路を特定の目的に使った経験がないので、D-FFのような具体的な用途が思い当たりませんが、順序回路としては、面白い動きをします。 Fig.HD0609_c右の真理値表のような表は、その動作を表しています(英文のデータシートでは、Function Tableと書かれています)。入力はクロック、J、K、プリセットnPR、クリアnCL(nCLRと書くこともある)です。なお、市販されているICでは、プリセット端子nPRがないものも多いです。
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 Fig.HD0609_c JKフリップフロップ
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この回路もD-FFと同じで、プリセットやクリアに0が入っている間は、出力が固定され、入力に依存しなくなります。装置の起動(電源投入)時等を除き、通常は、これらは1のまま使います。 (J,K)=(1,0)の場合は出力(Q,nQ)=(1,0)に固定、(J,K)=(0,1)の場合は出力(Q,nQ)=(0,1)に固定されます。プリセットやクリアを使わなくても、出力を一定値に設定することができます。 一方、水色の網掛けをした箇所は、(J,K)=(0,0)を入力すると、クロック入力が立ち上がる度に(Q,nQ)が1クロック前の値を出力するという動作をします。 また、(J,K)=(1,1)を入力すると、クロック入力が立ち上がる度に(Q,nQ)が(1,0)→(0,1)→(1,0)…という「トグル」動作をします。
それでは、解答に移ります。
問題の回路は、Fig.HD0609_aと同じで、問われているのは同図の遷移1〜3の後、XやYがどうなっているか、ということですので、遷移3の結果(X,Y)=(0,1)から、正解は2と分かります。
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