□ R05年04月期 A-04  Code:[HD0105] : 増幅器・減衰器等の入出力、利得(損失)、スプリアス規定等のデシベル計算
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A-04 次の記述は、デシベルを用いた計算について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。ただし、log102≒0.3とする。
1 [mW]を0 [dBm]としたとき、0.8 [W]の電力は39 [dBm]である。
1 [μV/m]を0 [dBμV/m]としたとき、0.4 [mV/m]の電界強度は42 [dBμV/m]である。
電圧比で最大値から6 [dB]下がったところの電圧レベルは、最大値の1/√2である。
出力電力が入力電力の200倍になる増幅回路の利得は26 [dB]である。
1 [μV]を0 [dBμV]としたとき、0.2 [mV]の電圧は46 [dBμV]である。

 近年(令和に入ってから)の問題は、従来の問題をいろいろひねったものも出るようになりました。この問題も、従来のデシベル計算の問題で、様々な単位の数値を計算させるものですが、指数・対数とデシベルの関係を押さえていれば、さほど難しい問題ではありません。

[1]指数・対数の復習

 まず復習がてら、指数と対数について確認した後、デシベルと真値の変換方法や、ちょっとしたコツなどを書いてみました。まずは指数・対数の復習です。「俺はこんなの知ってる」という方はいきなり解答まで進んでも構いません。
 A,Bがそれぞれ正の数、n,mが任意の数だとすると、

 log(AB)=logA+logB …公式(1)
 log(A/B)=logA−logB …公式(2)
 log(An)=nlogA …公式(3)
 n+m=An×Am …公式(4)
 nm=(Anm …公式(5)
電気の世界では通常、logは10を底(てい)とする、常用対数を使用します。すなわち、log10=1ということです。また、公式ではありませんが、特徴的な以下の数値は覚えておくと便利です。問題に良く出る数値で、最小限に止めておきます。
 0 [dB]=10log1
 3 [dB]≒10log2.0
 4 [dB]≒10log2.5
10 [dB]=10log10
20 [dB]=10log100
デシベル計算で使う公式・数値はこの程度です。覚える公式は数が少ない方がいいですから。公式(1)〜(5)までを覚えていれば、0dBや10の倍数のデシベル値は覚える必要はありません。この値だけでも、上の公式と組み合わせれば、かなりないろいろな数が作れます。

 例えば、ある系(アンプ・ケーブル・アンテナ・フィルタ…)があって、入力がA、出力がB(AやBは電圧や電流、または電力)だとすると、その系の「利得」(又は「損失」)G(デシベル)は、
 Ga=20log(B/A) [dB] …電圧または電流利得(損失)
 Gp=10log(B/A) [dB] …電力利得(損失)
と表されます。あとはAやBに問題で与えられた数値を入れたり、利得をかけたりして、AやBの中身が公式で簡単にできるなら簡単にしてから計算するだけです。なお、一般にAとBは同じ次元を持つ量でなければなりません。
 ちなみに、係数が20(電流・電圧)と10(電力)で違うのは、以下のような理由によります。電圧や電流などの「一次変量」の比率を表現するものと、「電圧×電流」、「電流2×抵抗」あるいは「電圧2/抵抗」のように電圧や電流の「二次変量」で表現される電力を、同じ利得を同じデシベル値で表現するためです。電流や電圧が一次の量で、電力が二次の量なので、電力の係数を電圧や電流の半分にしてやらないと同じ値にならないからです。
 また、増幅器やアンテナ等、比較する基準に対して大きく出力が出てくるものは、デシベル値が正の値になりますが、ケーブルや(受動素子のみからなる)フィルタ、減衰器等の入力に比べて出力が小さくなるものは、負の値になります。ただ、これも厳密なものではなく、例えば減衰器(アッテネータ)は入力より出力が小さいに決まっているので、わざわざ負の値で「そこの-10dBのアッテネータ、取って」などとは言いません。自由空間伝搬の減衰量なども、伝搬すれば電界強度も単位面積当たりの電力も小さいに決まっているので、マイナスは付けません。
 ですから、デシベルの値が出てきた時は、それが「増加」や「利得」のことを言っているのか、「減衰」や「損失」のことを言っているのか、に注意する必要があります。

[2]デシベルから真数への換算表

 では、下記に、私が考えた、デシベルから真数への変換について、簡単な計算とともにコツをまとめておきます。
デシベル 変換方法 真値
(電力)
1 [dB] 4-3 [dB]と考えると、公式(2)でA=2.5, B=2なので真値=2.5/2
1.25
2 [dB] 6-4 [dB]と考えると、公式(2)でA=4, B=2.5なので真値=4/2.5
1.6
3 [dB] 上記の通り(10log2.0
2.0
4 [dB] 上記の通り(10log2.5
2.5
5 [dB] 2+3 [dB]と考えると、公式(1)でA=2, B=3なので真値=1.6×2
3.2
6 [dB] 3×2 [dB]と考えると、公式(3)でA=2(10log2≒3), n=2なので真値=22
4
7 [dB] 10-3 [dB]と考えると、公式(2)でA=10, B=2なので真値=10/2
5
8 [dB] 2×4 [dB]と考えると、公式(3)でA=2.5, n=2なので真値=2.52
6.25
9 [dB] 3×3 [dB]と考えると、公式(3)でA=2, n=3なので真値=23
8
 
10 [dB]以上の値や、電圧・電流比のデシベル表示についても、同様に考えれば、様々な値に応用が利くことと思います。もちろん、この表を逆に使って、真値→デシベルの変換もできます。

それでは、解答に移ります。
 この問題では、[dB○○]という、見たこともない(かもしれない)単位が出てきていて困ります。実は、この○○の部分は「○○を基準(ゼロdB)とする」という意味です。いろいろな○○がありますが、例えば、以下のようなものが代表的です。

【電力】[dBm]…1 [mW]が基準。1 [kW]=+60 [dBm]、10 [mW]=+10 [dBm]、10 [μW]=-20 [dBm]
【電圧】[dBμV]…1 [μV]が基準。10 [V]=140 [dBμV]、0.1 [mV]=40 [dBμV]
【電界強度】[dBμV/m]…1 [μV/m]が基準。0.1 [V/m]=100 [dBμV/m]、1 [mV/m]=60 [dBμV]

 電力の[dBm]だけは、慣習的に[dBmW]とは書かないので、要注意です。この他にも[dBW]、[dBμA]等いろいろな単位があります。特にlogの前に来るのが10なのか20なのかは、間違えそうになりますが、電圧や電流の比(係数20)なのか、電力の比(係数10)なのかに注意します。後は基本的に指数・対数と四則演算しかないので、確実に行きましょう。

…0.8 [W]=800 [mW]で、電力での比較ですから、logの前の係数は10、ということに注意すれば、求める値は、
  10log10(800 [mW]/1 [mW])=10log10(102×23)≒10(2+0.3×3)=29 [dBm]
となりますから、39 [dBm]は誤りです。

…求めるのが電界強度なので、logの前の係数が10なのか20なのか迷いますが、電界強度の単位は「電圧/m」なので、係数は20です。また、0.4 [mV/m]=400 [μV/m]なので、求める値は、
  20log10(400 [μV/m]/1 [μV/m])=20log10(102×22)≒20(2+0.3×2)=52 [dBμV/m]
となりますから、42 [dBμV/m]は誤りです。

…これは上の2つと違って、電圧でのdB値から比率を求めるものです。題意を言葉の式で書けば、
  20log10(最大電圧/下がった電圧)=6 [dB] 或いは
  20log10(下がった電圧/最大電圧)=-6 [dB]
だと言っているのですから、この式のカッコ内(下がった電圧/最大電圧 で考えます)をxとすると、
  x=10-6/20=10-0.31/2
と求められるので、最大値の1/√2は誤りです。

…議論しているのが電力の比なので、logの前の係数は10です。電力比の200はdBで言うといくらになるか、という問題です。
  10log10200=10log10(102×21)≒10(2+0.3×1)=23 [dB]
となりますから、26 [dB]は誤りです。

…0.2 [mV]=200 [μV]で、電圧での比較ですから、logの前の係数は20、ということに注意すれば、求める値は、
  20log10(200 [μV]/1 [μV])=20log10(102×21)≒20(2+0.3×1)=46 [dBμV]
となりますから、46 [dBμV]は正しい値です。

 ということで、正解はと分かります。