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2022年 |
12/31 12月期問題頁掲載 |
09/01 08月期問題頁掲載 |
05/14 04月期問題頁掲載 |
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無線工学 > 1アマ > H27年04月期 > A-06 |
A-06 |
次の記述は、図1に示す12個の抵抗からなる回路の端子ab間の合成抵抗の求め方について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、各抵抗の値は、全てR [Ω]とする。
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(1) |
図1の回路は、図中の破線に対して左右対称である。回路中を流れる電流も左右対称になるので、図2に示す半分の回路の合成抵抗を求め、次に、全体の合成抵抗を求めればよい。 |
(2) |
図2の端子cd間の合成抵抗は[A][Ω]であるので、図2の端子ab間の合成抵抗は[B][Ω]となる。 |
(3) |
したがって、図1の回路の端子ab間の全合成抵抗は[C][Ω]となる。 |
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Fig.H2704A06a
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Fig.H2704A06b
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A |
B |
C |
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1 |
R |
2R |
R |
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2 |
R |
3R |
1.5R |
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3 |
R |
2R |
2R |
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4 |
2R |
3R |
1.5R |
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5 |
2R |
4R |
2R |
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これだけ数の多い、パズルのような抵抗回路の合成など、この問題が出題されたH27年の4月期以前にはありませんでしたから、面食らった方も多いと思います。ただ、誘導が付いていて、その意味するところが理解できれば、比較的簡単に解けてしまいます。その「意味するところを理解する」キーを、説明して行きます。
[1]複雑なものは単純化して解く
この手の問題は、複数の抵抗を合成して行き、単純化して行くことが解法のキーとなります。「そう簡単に言うけど、どの抵抗とどの抵抗をどういう順番で合成すればいいのか分かりません」ということも分かります。 この問題では、誘導で、何を、どう合成して、最終的に一つの抵抗とするのか、が示されていますので、素直にそれに乗って考えます。
[2]解法例…この問題を用いて
1) 回路の対称性に着目する
誘導文(1)では、この回路が「左右対称」であり、その「左右の回路に流れる電流も同じ」であることを挙げています。 左右対称であれば、左右の回路に同じ電流が流れるはずで、片方の回路の抵抗値を求めて、半分にすれば、それが求める抵抗だ、というのが、この誘導のカギです。
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Fig.HB0104_d 誘導に沿った単純化1
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Fig.HB0104_dのように回路を左側の青色部分と右側の赤色部分に分けて、青色の側の合成抵抗RXを求められれば、他方RYとの合成抵抗は、RX=RYかつ並列なのでRX/2となる、ということです。 ここで、「Fig.HB0104_dのq点で、左右の回路が繋がっているから、同図右のように、単純な並列抵抗の合成にならないのではないか」、という疑問もわきます。ところが、この点の電位は、左右の回路で同じです。何故ならば、この回路は破線prの上下に対して、青側の上半分と赤側の上半分が同一回路、さらに、青側の下半分と赤側の上半分も同一回路なので、ノードp,q,rのいずれの点でも、bを基準にして電位は同じです。
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つまり、ノードqにおいては、青側も赤側も同じ電位なので、青→赤、赤→青のいずれの方向に流れる電流(の総和)がゼロであると言えるわけです。流れる電流がゼロであるなら、接続されていても、切離しても、回路全体の電流の流れに変化は生じないので、Fig.HB0104_dの右のように、2本の(同じ値の)並列回路として表現可能だ、というわけです。
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2) 抵抗を合成して一つの抵抗に
さらに、誘導文(2)では、図1の回路を縦に対称に切り取った片側の、図2のような「片割れ」の合成抵抗を求めろ、と言っています。 これは、抵抗が斜めになっているので見づらいだけで、Fig.HB0104_eのように単純化して行くことができます。特に、cd間の並列抵抗のみを考えると、R2+R3の直列抵抗2本が2並列になっているので、合成抵抗は(R2+R3)/2です。 従って、この図から、Fig.HB0104_dの青側のRXは、
RX=R1+(R2+R3)/2+R4 …(1)
であることは容易に分かりますから、後は赤側と合成したRX/2が、求める合成抵抗である、ということになります。 |
Fig.HB0104_e 誘導に沿った単純化2
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従って、a−b間の全合成抵抗Rabは、
Rab=RX/2=R1/2+(R2+R3)/4+R4/2 …(2)
であることが分かります。
[3]解法例…全く別の解法
誘導に乗るだけでは面白くない、自分で考える、という方には、こんな解法はどうでしょう。
1) 電位が同じノードを接続してしまう
Fig.HB0104_dの説明の中で、3つのノードp,q,rは全て同電位で、また、電位が同じであれば、それらを接続しようがしまいが、a−b間の回路としては同じである、と書きました。
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Fig.HB0104_f こんな回路も同等
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Fig.HB0104_g 変換した回路の抵抗合成
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それならば、ということで、Fig.HB0104_fのように「横」に接続してみてはどうか、という発想です。上半分RXが分かれば、下半分RYも同様の計算なので、これらの直列抵抗RX+RYで表せるだろう、という見通しを立てます。 問題の回路は左右対称でもありますから、ノードp,q,rが同電位なだけでなく、ノードsとt、ノードuとvもそれぞれ同電位です。これら、電位が同じノードをすべて接続して、上半分の回路を描き変えてみると、Fig.HB0104_gのようになります。
2) 後は普通の合成抵抗の問題
この三角形の配置は、同図左下のように描き変えられます。上は抵抗R1の2並列でR1/2、下は抵抗R2の4並列でR2/4となっていて、それらの直列ですから、上半分の全体では、
RX=R1/2+R2/4 …(3)
となります。同様に、下半分のRYも求めれば、
RY=R3/4+R4/2 …(4)
でこれらがFig.HB0104_fの右のように直列になるので、a−b間の全合成抵抗Rabは、
Rab=RX+RY=R1/2+(R2+R3)/4+R4/2 …(5)
となって、この問題の誘導で解いた解法(2)式での結果と一致します。
それでは、解答に移ります。 この問題では、R1=R2=R3=R4=Rで全て同じですから、
A…c−d間の抵抗は、(R2+R3)/2=Rです
B…図2のa−b間の抵抗は、R+R+R=3Rです
C…図1のa−b間の抵抗は、上記の半分の1.5Rです
従って、正解は2と分かります。
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