□ H20年12月期 A-07  Code:[HC0207] : 発光ダイオード(LED)の構造と動作
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H2012A07 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年12月期 > A-07
A-07 次の記述は、発光ダイオード(LED)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
LEDを使用するときの電圧及び電流は、絶対最大定格より低い値にする。
光信号を電気信号に変換する特性を利用する半導体素子である。
豆電球などのフィラメント式と比べると信頼性が高く寿命が長い。
順方向電圧を加えて、順方向電流を流したときに発光する。
LEDの基本的な構造は、PN接合の構造を持ったダイオードである。

 もはや世の中の光源は、将来的にほとんどこの発光ダイオードの置き換わってゆく、と考えられるまでになりました。低消費電力、長寿命が大きなメリットとなります。

[1]LEDは電子とホールが再結合する際の発光を利用した素子

 PN接合に順方向バイアスを掛けると電流が流れますが、接合面付近では電子とホールが再結合しています(Fig.HC0207_a)。この際、エネルギーが放出されますが、LEDはその再結合エネルギーが光に変換されるようにP形とN形の組合せを選んであります。
 発光波長は赤外から紫外まで様々で、最近の話題では、今まで長らく不可能とされてきた青紫色の波長の短いLEDが実現したことが挙げられます。
 発光波長は、基材となる半導体そのものと、添加する不純物の組成と量によって制御します。発光スペクトルは、普通の(電球や蛍光灯等の)光源と異なり、細いスペクトルであることが多いため、視覚障害(色の判別)がある方には見えにくい場合があります。

[2]応用は広範囲。最近では照明用も

 その昔、まだLEDが高価だった頃は、機器の電源ランプの置き換えや7セグの数字表示器程度の用途しかありませんでした。
Fig.HC0207_a LEDの構造と動作原理
Fig.HC0207_a
LEDの構造と動作原理
 しかし、最近では、自動車や電車のヘッドランプ、家庭用の埋め込み照明等の、照明用途や街角の大画面ディスプレイにも使われ始めていることがトピックです。LEDを使った交通信号も見かけるようになりました。
 いずれも、従来の電球や蛍光灯に比べ、単位電力あたりの光変換効率が高く(要するに低消費電力)、長寿命であることが普及の理由です。また、効率や寿命だけでなく、交流特性(高速で発光をON/OFFできる特性)もかなり良く、レーザーを使わない簡易な光通信にも用いられています。
 例えば、ケータイのIrDA(赤外線通信)やテレビ・エアコンのリモコン等の通信用途です。
 なお、光通信やDVDなどのディスクドライブに用いられるレーザダイオード(LD)は、LEDと似ていますが、発光部分に(光の)「共振器」を構成し、内部で反転分布といわれるレーザ発振条件を満たすように作られたものです。電流→光、という点では同じですが、出てくる光の性質が全く違います。光る原理自体はLEDと同じで、再結合時のエネルギー放出です。

それでは、解答に移ります。
 …半導体は必ず絶対最大定格内で使用しますので、正しい記述です
 …LEDは電流を光に変換するので、誤った記述です
 …LEDは豆電球等と比べると高信頼性ですので、正しい記述です
 …LEDは順方向に電流が流れ発光しますので正しい記述です
 …LEDはPN接合を持っているので、正しい記述です
となりますから、正解(誤った記述)はと分かります。