□ H19年04月期 A-08  Code:[HD0606] : ゲートの組合せ回路とそれと等価な別の組合せの論理回路
インデックス
検索サイトから来た方は…
無線工学の基礎 トップ

以下をクリックすると、元のページが行き先に飛び、このウインドウは閉じます

 ■ 無線工学を学ぶ
 (1) 無線工学の基礎 
 年度別出題一覧
  H11年 4月期,8月期,12月期
  H12年 4月期,8月期,12月期
  H13年 4月期,8月期,12月期
  H14年 4月期,8月期,12月期
  H15年 4月期,8月期,12月期
  H16年 4月期,8月期,12月期
  H17年 4月期,8月期,12月期
  H18年 4月期,8月期,12月期
  H19年 4月期,8月期,12月期
  H20年 4月期,8月期,12月期
  H21年 4月期,8月期,12月期
  H22年 4月期,8月期,12月期
  H23年 4月期,8月期,12月期
  H24年 4月期,8月期,12月期
  H25年 4月期,8月期,12月期
  H26年 4月期,8月期,12月期
  H27年 4月期,8月期,12月期
  H28年 4月期,8月期,12月期
  H29年 4月期,8月期,12月期
  H30年 4月期,8月期,12月期
  R01年 4月期,8月期,12月期
  R02年 4月期,9月期,12月期
  R03年 4月期,9月期,12月期
  R04年 4月期,8月期,12月期
 分野別出題一覧
  A 電気物理, B 電気回路
  C 能動素子, D 電子回路
  E 送信機, F 受信機
  G 電源, H アンテナ&給電線
  I 電波伝搬, J 計測

 ■ サイトポリシー
 ■ サイトマップ[1ama]
 ■ リンクと資料

 ■ メールは下記まで



更新履歴
2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1904A08 Counter
無線工学 > 1アマ > H19年04月期 > A-08
A-08 図に示す論理回路と同一の動作を行う回路として、正しいものを下の番号から選べ。
問題図 H1904A08a
Fig.H1904A08a

問題図 H1904A08b
Fig.H1904A08b

 真理値表で解いてもいいのですが、入力が3本あって、問題と選択肢を合わせて5つの回路がありますから、23×5で40通りもの状態を解かねばなりません。時間が余っている時ならまだしも、2〜3分では解けそうもないので、ここでは論理式を取ります。

[1]簡単なブール代数を使おう

 論理式で解く前に、お断りをしておきますが、not(A)は普通、Aの文字の上に線(バー)を引きますが、HTMLで表記できないので、/A(スラッシュA)と書きます。
 論理式はいろいろ法則があって、難しい印象を受けた方もおられるでしょうが、結合則や分配則といった、普通に我々が使っている数式と同じものもあります。論理式特有なもので、アマチュアレベルで出題される難しいものはほとんどありません。以下、そんなポイントをまとめてみました。
 A+B   論理和…ORのこと。AまたはBが真の時、真となる。
 A*B   論理積…ANDのこと。AもBも真の時、真となる。
 /A     否定……NOTのこと。Aが真なら偽、偽なら真。
上記の基本に加えて、下記のような数式を扱う上での法則があります。普通の数値の計算と同じく、乗算が優先で、カッコがあればさらにそれが優先です。
 A+B=B+A …(i) (和の)交換則
 A*B=B*A …(ii) (積の)交換則
 A*(B+C)=A*B+A*C …(iii) 分配則
 A*B+A*C=A*(B+C) …(iv) 結合則
この他に、論理式特有の法則として、下記を挙げておきます。
 /(A+B)=/A*/B …(v)
 /(A*B)=/A+/B …(vi)
 A+A*B=A …(vii)
 A+/A*B=A+B …(viii)
 1*A=A  0*A=0  1+A=1  0+A=A
 A*A=A  A*(/A)=0  A+A=A  A+(/A)=1 …(ix)
Fig.HD0606_a 交換・分配則とド・モルガンの法則
Fig.HD0606_a 交換・分配則とド・モルガンの法則

 (v),(vi)はANDまたはOR全体にNOTを付けるとANDとORが入れ替わって、各入力のNOTになってしまう、という不思議な法則です。ド・モルガンの法則と呼ばれます。Fig.HD0606_aに交換・分配則とドモルガンの法則を示します。
 説明はしませんが、真理値表を書いてみると、確かにそうなっているので、正しいことが分かります。実際の論理回路の設計では、よく使います。
 (vii),(viii)はちょっと証明めいたものが必要かもしれません。

 A+A*B=A*1+A*B=A(1+B)=A*1=A …(vii)

 A+/A*B=A*(1+B)+/A*B=A+(A*B+/A*B)
      =A+(A+/A)*B=A+B …(viii)

アンダーラインの部分が常に1になるのは、(viii)の3番目、8番目の式を使っています。(ix)はどれも自明です。

[2]入力数が多いロジックは論理式で考える

 では、論理式を使って考えてみます。まず、問題図中のORの出力をPとします。
 P=B*C …(1)
となります。出力Mは、
 M=A+P …(2)
となりますが、Pに(1)を代入して、
 M=A+B*C …(3)
となります。

それでは、解答に移ります。
 選択肢の方の論理式を4つ並べてみると、
 … M=A*(B+C)
 … M=(A*B)*C
 … M=(A*B)+(A*C)=A*(B+C)
 … M=(A+B)*(A+C)
となりますから、はどう変形しても(3)にはならないのですが、単純に消去法でが正解といえるでしょうか? ちょっと形が違っていて不安ですが…ということで、選択肢と(3)式が同じかどうか、やってみましょう。
 M=(A+B)*(A+C)=A*A+A*C+B*A+B*C …全部展開
  =(A+A*C)+B*A+B*C=A+B*A+B*C …頭の2項をまとめ
  =(A+A*B)+B*C …さらに頭の2項をまとめ
  =A+B*C …(3)
ここでは(ii)と何度か(vii)を使っています。ということで、やはりが正解と分かりました。