□ H18年04月期 A-02  Code:[HA0301] : 2個の並列コンデンサとスイッチ回路。スイッチ切替前後で電荷量保存則を用いた計算
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1804A02 Counter
無線工学 > 1アマ > H18年04月期 > A-02
A-02 図に示す回路において、最初スイッチS1及びスイッチS2は開いた状態にあり、コンデンサC1及びコンデンサC2に電荷は蓄えられていなかった。次にS2を開いたままS1を閉じてC1を150 [V]の電圧で充電し、さらに、S1を開きS2を閉じたとき、C2の端子電圧が100 [V]になった。C1の静電容量が4 [μF]のとき、C2の静電容量の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1 [μF]
2 [μF]
3 [μF]
4 [μF]
5 [μF]
問題図 H1804A02a
Fig.H1804A02a

 この問題を解くには、電荷量の保存則を使います。最初にS1をONにして充電し、これをOFFにした以降は、S2をONにする前後で電荷の総量は変わらない、という理屈を使って解きます。

[1]電荷量保存則とは何か?

 「電荷量保存則」と聞くと、「ああ、また物理の難しい法則か。もう『何とかの保存則』と聞くだけで嫌だな」と思われる方も居られるでしょう。大体、言葉が難しくていけません。法律用語みたいです。
 ただ、言っている内容は簡単なので、法則の名前がどうのこうのよりも、その意味するところだけを理解してしまえば、アレルギーも解消すると思います。
 電荷は物理的には、負電荷=電子が(中性状態より)多い状態、正電荷=電子が少ない状態、なので、電子がどこかに消えたり、どこからともなく湧き出したりしない限り、最初に分かっていた電荷量はどこにどう蓄えられようが、変化しないはずです。この問題では、ここに着目します。

[2]電荷量保存則を水の量で考える

 まず、C1を容量が既知のコンデンサ、C2を容量が不明のコンデンサとします。また、最初にC1に印加した電圧をV0とします。
 ここでは、Fig.HA0301_aのように考えます。つまり、底面積(=静電容量)のわかった入れ物C1と、底面積が不明の入れ物C2です。また、電荷量は水の量で、コンデンサの両端の電極の電圧は水位の高さであらわすものとします。(両者を繋ぐ管の中の水の量は無視します。)
 着目すべきなのは、スイッチSを入れたあと、1とC2は、並列接続状態となる、ということと、スイッチSを入れる前後で電荷(=水)の量は変わらない、ということです。この容器の例では、並列接続により底面積が増えたことになります。
 そのような入れ物を繋いで、中央の栓Sを開ければ、両者の水位(=電圧V1)が等しくなるところまでC1からC2へ水が流れ込み、安定します。栓を開けた前後で、水の全体量は変わりません。
 こう考えてくると、電荷が保存されることが容易に以下の式で表されます。
 C1・V0=(C1+C2)・V1 …(1)
となりますから、これを変形して未知の容量C2について解けば、
 C1・(V0/V1)=C1+C2 …(2)

 ∴ C2=(V0/V1−1)・C1 …(3)
Fig.HA0301_a 電荷量保存則
Fig.HA0301_a
電荷量保存則
と求められます。

それでは解答に移ります。
 (3)式に題意の数値(C1=4 [μF]、V0=150 [V]、V1=100 [V])を代入すれば、
 C2=4×(150/100−1)=2 [μF]
となりますから、正解はと分かります。
 暗算で出すとすれば、「スイッチS2をON後に電圧が2/3だから、C1とC2の合成容量がC1の3/2倍。ということはC2はC1の半分の容量!」ということで、回路をいじったことのある方なら、ここに挙げた計算は不要かもしれません。スイッチON後の電圧が半分でない時は、(3)式のちょっとした計算が必要になりますが。いずれにしても、電気回路の基礎的問題なので、確実に正解したい問題です。