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2022年 |
12/31 12月期問題頁掲載 |
09/01 08月期問題頁掲載 |
05/14 04月期問題頁掲載 |
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無線工学 > 1アマ > H15年12月期 > A-03 |
A-03 |
耐電圧がすべて100 [V]で、静電容量が10 [μF]、20 [μF]及び50 [μF]の3個のコンデンサを直列に接続したとき、その両端に加えることのできる最大電圧の値として、正しいものを下の番号から選べ。
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1 |
100 [V] |
2 |
170 [V] |
3 |
200 [V] |
4 |
240 [V] |
5 |
300 [V] |
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この問題では、「直列接続のコンデンサの各電極に蓄えられる電荷は等しい」、という物理が解法のキーになります。容量がすべて同じ場合以外は、耐圧100 [V]のコンデンサが3つ直列なんだから、300 [V]だろう、というのは間違いです。
[1]直列接続のコンデンサの各電極に蓄えられる電荷は等しい
各コンデンサの容量やかかる電圧をFig.HA0307_cのように置きます。
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直列接続のコンデンサの各電極に蓄えられる電荷は等しいので、Qと置きます。 なお、電荷が等しい理由の「証明」は簡単で、例えば、Fig.HA0307_cで、C1の電源側の電極に+Qの電荷が溜まったとすると、その対向する電極には−Qが溜まります。またC2の左側の電極には、+Qが溜まります。このノードは他にどこにも繋がっていないので、電子が勝手に消えたり湧いて出たりしない限り、一方に+Qがあれば他方には−Qがあって、合計がゼロになるはずだからです。C3についても同様です。
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Fig.HA0307_c 直列コンデンサの電圧
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[2]最小容量のコンデンサに最高電圧がかかる
ここで仮に、最も容量が小さいコンデンサがC1であるとして、これに最大電圧E1maxがかかっている時に、他のコンデンサにどれだけの電圧がかかっているかを計算します。まず、このときに各コンデンサに蓄えられる電荷Qを計算します。
Q=E1maxC1 …(1)
これと同じ電荷がC2, C3についても溜まりますから、これらの両端にかかる電圧をそれぞれ、E2, E3とすれば、
Q=E2C2 …(2)
Q=E3C3 …(3)
(1)と(2)、(1)と(3)からそれぞれQを消去すれば、
E1maxC1=E2C2
∴ E2=(C1/C2)E1max …(4)
E1maxC1=E3C3
∴ E3=(C1/C3)E1max …(5)
となります。 上記の結果を吟味してみます。C1が3つの中で最小容量のコンデンサなので、(4),(5)式の中で、C1/C2<1でかつ、C1/C3<1です。つまり、E2<E1maxでかつ、E3<E1maxということ、すなわち最も小さな容量のコンデンサに最大電圧がかかるので、複数の耐圧が同じコンデンサを直列につないで耐圧を稼ぎたい時、全体の耐電圧を決めているのは最小容量のコンデンサだ、ということです。 ここまで分かれば、全体の耐電圧Emaxは下記のようにして求められるのが分かります。
Emax=E1max+E2+E3=E1max(1+C1/C2+C1/C3) …(6)
余談ですが、この問題のように、容量の異なるコンデンサを直列に接続すると、最も容量の少ないコンデンサに電圧が集中します。このことは逆に、同じ容量を接続したつもりでも(コンデンサは一般に抵抗に比べて誤差が大きいので)、容量の少ないものの両端の電圧が高くなってしまうことがある、ということです。 セラミックコンデンサの中には+20%/-80%なんていう誤差のものもありますから、たとえ耐圧50 [V]だからといってこれを直列にして80 [V]かけたら、絶縁破壊するものも出てくる可能性がある、ということです。 耐圧を稼ぐために複数のコンデンサを直列にする時は、容量誤差に注意する必要があります。
それでは、解答に移ります。
題意の数字、E1max=100 [V], C1=10 [μF], C2=20 [μF], C3=50 [μF] をそれぞれ(6)式に代入すれば、
Emax=100×(1+10/20+10/50)=170 [V]
となりますので、正解は2と分かります。
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