□ H13年04月期 A-12  Code:[HE0201] : 電けん操作回路の種類と動作、各々に用いられるリレーの名称
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1304A12 Counter
無線工学 > 1アマ > H13年04月期 > A-12
A-12 次の記述は、振幅変調電信(A1、A2)送信機に用いられる電けん操作回路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1) 図1は、エミッタ回路を断続する場合の回路例を示す。図中の電けんに並列に挿入されているRとCの回路は、[A]フィルタである。
(2) 図2は、電圧が高い回路や電流の大きい回路を断続する場合の回路例を示す。断続する回路へ直接電けんを接続せず、[B]リレー(RL)を用いて間接的に回路の断続を行う。
(3) 単信方式では一般に、電信符号のスペースに相当する電けん操作時及び電けん操作休止時には、自局の受信機を受信可能状態とし、また、マーク時には自局の受信機が妨害を受けないようにするため、電けん操作による電けん回路の断続に合わせて、アンテナの切り換えや受信機の動作停止等を行なう[C]リレーが用いられる。
問題図 H1304A12a
Fig.H1304A12a


キークリック キーイング プレストーク
キークリック チャタリング ブレークイン
キークリック キーイング ブレークイン
キーイング チャタリング ブレークイン
キーイング ブレークイン プレストーク

 電信送信機の回路方式とその関連用語を、表形式でまとめておきます。

[1]断続方式

 終段増幅回路の一部分をキーイングにより断続して、送信電波を断続する方式について、まとめました。

項目 説明
エミッタ
制御方式
電波を断続するのに、エミッタ回路をキーやリレーで直接断続する方式。大電流が流れるので、通常はリレーを用いる。あまり利用されていない。
コレクタ
制御方式
電波を断続するのに、コレクタ回路をキーやリレーで直接断続する方式。断続に高圧がかかるので、通常はリレーを用いる。主に小電力の送信機に使用されている。
ベース
制御方式
ベースバイアスをキーイングして、マーク時は正のバイアスが、スペース時には出力がなくなるほどの負バイアスをかける。制御しなければならない電流が少なく、電鍵でそのまま断続できるので、多く用いられている。
 

[2]リレーに関する用語

 電信送信機で用いられるリレーとその関連について、まとめました。

項目 説明
キーイング
リレー
断続することで大電流が流れる、あるいは、高電圧がかかる、などのため、接点寿命や安全性から、電鍵で直接回路を断続することができない場合に電鍵の代わりに使用するリレー。このリレーの制御は電鍵で行なう。
ブレークイン
リレー
アマチュアの電信の通信方式は単信方式(送受信が一方通行)なので、相手が送信している時にこちらがキーダウンしても、相手は応答できない。これを防ぐため、連続して送信している間だけ送信機とアンテナを接続するリレー。または、マーク(電波が出ている)時だけ送信機とアンテナを接続するリレーもあり、こちらはフルブレークインリレーという。
 

[3]電信送信機のトラブルに関する用語

 電信送信機で起こるトラブルとその関連について、まとめました。

項目 説明
キー
クリック
キーイングの際、立ち上がりが急峻すぎてオーバーシュートが生じ、受信すると波形の立ち上がりに「コツッ、コツッ」という音が聞こえること。占有周波数帯幅が広がるため、防止しなければならない。キークリックフィルタで、スパークと共に防止できる。
キークリック
フィルタ
(スパーク
キラー)
急峻な波形の立ち上がりを抑え、キークリックを防止する。また、接点間に火花が飛ぶような使い方をすると、接点寿命が短くなるので、これを防ぐために入れる抵抗とコンデンサを直列に接続したもの。コンデンサで電荷を吸収し、放電時にはRが電流制限抵抗として作用する。
チャタリング おもにキーイングリレーなどで、接点が接触した瞬間にバウンスして何度か付いたり離れたりを繰り返す現象チャタリングのないリレーに交換するか、リレーの駆動波形を調整する。
 

それでは、解答に移ります。
 …図1のRCはキークリックフィルタです
 …図2のように間接的に入れるのはキーイングリレーです
 …電鍵操作で送受信を切替えるリレーはブレークインリレーです
となりますから、正解はと分かります。