使い方&豆知識 目次1 サイトポリシーと使い方このページの作成方針 「危険なスクリプト」メッセージの対処法 使い方とアイコン等の意味 「お約束」ですが… 2 美瑛・富良野の写真を撮るための豆知識 作物は毎年変わる 畑には入らない・農作業を邪魔しない 中富良野以北と富良野では作物が異なる 最近減ってきているもの…緑肥・豆ニオ 秋の朝は霧の宝庫 |
2 美瑛・富良野の写真を撮るための豆知識 美瑛・富良野地方を訪れて写真を撮るために、知っておくと役に立つこと、守らなければならないことをあげてみました。聞いた話や、自分の考えも入っているので、100%正確ではないですが、知っていて損はないと思います。 □ 作物は毎年変わる この地方の畑では、ジャガイモ・豆類・とうきび(とうもろこし)・ニンジン・たまねぎ等を栽培していますが、連作障害を避けるため、同じ場所でも毎年のように作物が変わります。そのため、本ページで掲載している場所に行っても、同じ風景が見られるとは限りませんのでご注意下さい。 また、同じ季節に行っても、毎年気候が違うので、ある年は麦畑の実りが見られた地域が、翌年の同じ時期に行くと、刈り取りが済んで、麦のロールが転がっていた、なんていうこともあります。それはそれで、風景との出会いは一期一会、という楽しみ方です。風景の切り取り方を臨機応変に変えて作品を生み出す力が試されます(と言う私はそんな力はありません)。 □ 畑には入らない・農作業を邪魔しない ここを「べからず集」にするつもりはないのですが、写真を撮る方々にお願いです。我々にとっては「被写体」ですが、農家にとってそこは「食糧生産の現場」です。はっきり言って農家の方も生活かかってます。有名な撮影地の近くには、「畑に入らないで」というやさしい看板から「入るな!」という激しいものまで、立て看板がそこかしこに見られます。 私も車で狭い農道に停めて撮影することもあるので、他人様ことは言えた立場にありませんが、風景の良いところがあっても、農道には必ずすれ違えるように少し広くなった所があるので、そこまで車を持って行き、戻って撮るようにします。長時間駐停車もしないようにしましょう。農繁期は大型の農機も道路を通るので、すぐに車に戻れるようにしておきます。 また、畑には絶対入らないようにしてください。特に、ジャガイモにはシストセンチュウという恐ろしい寄生虫害があって、これに畑が汚染されると、ジャガイモの収量が激減します。本州の土壌から持ち込まれることが多く、靴やタイヤについた土に紛れ込んでいることもあるようで、ジャガイモ農家は非常に神経を使っています。 基本的に撮影は道路から、ですが、道路と私有地の境界がよく分からないところも正直言ってあります。牧場を除いて柵がないところがほとんどですから、容易に入り込めてしまいます。被写体を探して歩き回る時には、十分気を付けてください。 □ 中富良野以北と富良野では作物が異なる どこが境界かははっきりしませんが、中富良野辺りから北と、富良野では作物が微妙に違います。ニンジンとたまねぎは、中富良野辺りから北では栽培されていません。全くゼロではないかもしれませんが、私が見てきた範囲ではそうなっています。 これにはちゃんと理由があって、中富良野辺りから北では、土壌に硬い石英分が多く、傷つきやすいニンジンとたまねぎは栽培できないからだそうです。麦とジャガイモととうきびは両方で栽培されています。同じ土の下にできるものでも、ジャガイモは強いんですね。 □ 最近減ってきているもの…緑肥・豆ニオ 作物の収穫が終わって、次の作物を植えるまでに栽培し、土にすきこんでしまう植物のことを緑肥といいます。この地方では、ヒマワリやキガラシといった植物を使います。広大な丘の畑一面に、キガラシやヒマワリが咲いている風景は、非常にいい被写体ですが、最近、緑肥をやめて化学肥料にする農家が多いそうです。 本文中にも書きましたが、その理由は「回転率」だそうです。ジャガイモ、麦(秋撒き・春撒き)、豆といった、微妙に栽培時期の異なる作物を、どういう順でどの畑に栽培するか、を農家は考えるわけですが、緑肥を間に挟むと地力は上がるものの、収穫できない時期が増えます。その分を化学肥料で補って、単位面積・単位時間当たりの収穫量を上げよう、というわけです。 また、豆ニオも減っています。豆ニオとは、豆を収穫した後、乾燥のために畑に豆を積み、ビニールシートをかぶせておくものです。遠くからはシートをかぶった小人が行列しているような、ちょっとユーモラスな光景が広がります。 ところが、この豆ニオを作るのは大変な重労働だそうです。まず「豆立て」と言われる作業で刈取った豆を地面にしばらく立てて、「初期乾燥」させるのですが、これがずっと腰をかがめて延々と豆を地面に立ててゆく作業で、素人はすぐにギブアップだそうです。あれだけの広大な畑で、一日中かがんで作業をすれば腰が大変なことになるのは分かります。 そこで、最近登場したのが「乾燥機能付きの刈取機」で、刈取りと同時に温風で乾燥させてしまうので、「手間要らず」ということらしいです。秋に行った際に、宿(じょう舎)のご主人に「ニオが少ないですね」という話をした時に聞いた話です。 「農」の風景も時代の流れとともに変わりつつあります。写真を撮る側としては残念ですが。 □ 秋の朝は霧の宝庫 2009年の9月に行った際には、本当によく霧が出ました。撮影に出かけるため、4時半頃起きると、周囲は暗い上に何も見えないので、「霧が晴れるまでは撮影やめ」ということになってしまいがちですが、とにかく動いてみて下さい。千望峠等の高い所に登ると、下界は霧の中なのに上の方は快晴であることも珍しくありません。 このような時に、霧と晴れ間の狭間には、白い虹が出てくれるかもしれません。また、霧は風に乗って流れてくる/流れてゆくので、シャッターチャンスは一瞬です。のんびり構えていると、白い虹は消えてしまうし、自身はあっという間に霧に飲まれて「五里霧中」になってしまいます。 また、日が昇ってきて気温が上がるにつれて霧は消えてゆきます。差し込む光をどう入れるか、どの位の濃さの霧の時にシャッターを押すか、これまた作品作りに大きな変化を与えます。私はこんな状況で写真を撮ったことがないので、あたふたしてしまいましたが…。 |